今回の修了生インタビューでは2020年度修了生の栗原知也さんにお話を伺いました。
栗原さんは都市部をメインに展開されているワーキングスペース「コインスペース」を運営されています。
―現在の仕事、活動について教えてください。
「コインスペース」という時間単位で借りることができるワーキングスペース事業をやっています。
ちょっとした隙間時間のお仕事から、一日丸々のリモートワークのご利用や、学生さんの自習室としてなど様々なシーンにご活用いただいています。
東京の都心部をはじめとした関東圏、近年では関西圏にも進出して、現在35箇所を運営しております。
―デジタルハリウッド大学大学院に入られた経緯は?
大学院に入る前年の夏に勤めていた金融系の会社を辞めました。
その頃に参加していたセミナーに触発されたこともあり、特にジャンルは決めず漠然と起業したいという気持ちがありました。
一方でどこかのスタートアップに入ろうかとも考えていましたが、なかなか方向が決まらぬまま時間だけが過ぎ、身の振り方を悩んでいるときに、そのセミナーで偶然デジタルハリウッド大学大学院のことを知りました。
セミナー内の講座に杉山学長が登壇される回もあり、面白そうなことをやっているなと感じていました。
金融系の会社の勤務を通して、私はビジネスについてはある程度経験があるものの、IT系、特にクリエイティブ系に対して弱いと感じていました。セミナーの余興時間に杉山学長や大学院事務局の方とお話をする機会があり、デジタルハリウッド大学大学院は私の学びたい部分と合致することがよく分かりました。
また、当時のトップメッセージとして掲げられていた「そのビジネスは、世界を幸せにしているだろうか?」のフレーズにハッとしたのを覚えています。
デジタルハリウッド大学大学院に入学してからは、ビジネス、クリエイティブ、IoTの授業を受講しながら、ビジネスの種になりそうなことを探していました。
―印象に残っている授業はありますか?
本多先生の「コミュニケーションデザインラボ (現・インタラクションと不完全なコミュニケーション)」が印象深いです。
デジタルハリウッド大学から大学院へ進学してきた方にも人気のラボで、ロジックばかり追い求めてきた自分にとってデザインの視点はどれも新鮮で、若い人たちに混じって楽しく研究を進められました。
当時やっていたデザインイベントにもラボで出展しまして、デジハリの八王子制作スタジオ (八王子市) にみんなで集まって大きなアヒルの形をした出し物などを製作したのも良い思い出です。
印象に残っているというところからは少し外れますが、入学年度の夏に受けた海老根先生の「ビジネスモデル研究 (現・特別講義A)」の授業でも衝撃を受けました。
初回授業で開口一番に「ここに来ても人生変わらないんだぞ!」と言われたことで頭を殴られたような気持ちでした。変わりたいと思って入学してきた方もいる中で、その真逆をゆくような見解に驚きました。
担当教員の海老根先生らしい試練の与え方だったと思います。
その後、在学中に海老根先生の会社で働かせていただくことになり、その中でコインスペースの基となるビジネスの話にご縁をいただいて今の会社があります。
―大学院には幅広い年齢層の方がいますが、やりづらさなどを感じたことはありましたか?
それはなかったです。もちろんエッジの効いている方が多くいましたが、学部から進学されてきた学生も含め皆さん楽しそうで、学内はとても良い雰囲気で周りに気兼ねなく過ごせる環境だったという印象です。こんな学校があるんだ、と感心していました。
同期の皆さんも良い人ばかりで、学校に来るのが楽しいと感じていました。
―本学での経験が活かされていると感じるところはありますか?
幅広いジャンルの授業を受けたことで応用力が高まったと感じています。
何か新しいことにチャレンジするときも、そういえばこんなこと授業でやったな、と思い出して、その手法を試してみてうまくいくこともあり、大学院に通っていたことがよく効いていると思います。
また同期とのコミュニティは今でも続いていまして、何か困ったときにそこへ投げかけると答えがもらえることもあり、在学当時に培ったネットワークが様々なシーンで役に立っています。
卒業してから一緒にビジネスをしている仲間もいます。
―「コインスペース」の今後の展望について教えてください。
以前登壇させていただいたDHGS Collection 7 (デジタルハリウッド大学大学院 成果発表会) において、店舗展開を100箇所という目標を掲げました。
今のペースでゆくと、来年か再来年には達成できるのではないかと見込んでいます。
現在は大きな都市部を中心に展開していますが、地方都市にも拡大して全都道府県に拡げてゆくことも視野に入れています。
また、各店舗の巡回管理をしていただくスタッフの方の現地雇用も積極的にしておりまして、長時間働くことは難しいけれど隙間時間を有効に使いたいというニーズに応えています。
今後様々な地域に出店してゆくことで、実際に店舗を利用される方だけでなく、働き口としても地域社会に貢献したいと考えております。
―入学を検討されている方へメッセージをお願いします。
大学院に進むことは新しいことを学ぶということはもちろんですが、新しいことにチャレンジする機会を掴める可能性が広がることでもあると思っています。
単純に学んだことを応用して、ということもありますし、共に学んだ仲間とともにビジネスを始めたり、1人では解決できなかった課題を乗り越えるための強い力になります。
また、デジタルハリウッド大学大学院は業界の第一線で活躍されながら、並行して教員業をされている先生が多いです。どの先生でもその領域で一歩踏み込んだ疑問にも答えてもらえることもあれば、先生と一緒になってプロジェクトを進めることもあるなど、他の大学院と比べて先生との距離の近さも非常に魅力的です。
もちろん研究室に入るなどすれば必然的に距離も近付くと思いますが、私のケースで言えば、海老根先生とは1クォーターの授業を受けただけという関係からのスタートでした。
それが今では大切なビジネスパートナーとして協業させてもらえているので、通常の授業レベルでそのような関係を築くことができるというのもデジタルハリウッド大学大学院の強みだと思います。
私はデジタルハリウッド大学大学院に進学して良かったと思っています。
学部から入って来られた若い方から、各業界で活躍されながら大学院に通われる方まで、様々な方から刺激をもらうこともでき、色々なことにチャレンジする機会を得られるという点でもお勧めします。
―ありがとうございました。
コインスペース株式会社 代表取締役
栗原知也(デジタルハリウッド大学大学院修了)
1976年8月27日生まれ。デジタルコンテンツマネジメント修士。
1999年筑波大学社会工学類卒業後、(株)第一勧業銀行を経て、2004年一橋大学大学院商学研究科修了。
三菱UFJモルガン・スタンレー証券(株)にてM&Aアドバイザリー業務従事。
2015年デジタルハリウッド大学大学院に進学し在学中に当社設立、代表取締役就任。