修了生ジェームス・ラティマ氏監督作品「KATA」がトライベッカ映画祭に入選
日本初の株式会社による専門職大学院、デジタルハリウッド大学大学院(本校:東京都千代田区 学長 杉山知之 以下本大学院)では、[SEAD(Science/Engineering/Art/Design)]4要素の融合をコンセプトとして、デジタルコミュニケーションを駆使し、社会に新しい産業や文化を生み出すリーダーを輩出しています。
この度、本大学院修了生のジェームス・ラティマ氏(本大学院12期修了生)が監督した作品「KATA」が、サンダンス映画祭、サウス・バイ・サウスウエストと並びアメリカ最大の映画祭の一つで、毎年春にニューヨーク市マンハッタンのトライベッカで開催される【トライベッカ映画祭】に入選しました。
入選作品概要
「KATA」(7分、2020年)
空手の「型」部門で6年連続日本一に輝いた現在13歳の高野万優選手が、「型」と出会い、最高のものを目指す原動力となったストーリーを紹介しています。規律正しい生活を送っている明るく気立ての良い女子学生のキャラクタースタディは、視聴者が型のより深い美しさを発見するための架け橋となり、肉体的な障壁を超えて自分自身と向き合う精神的な戦いに挑むことになります。
◎「KATA」予告編
監督プロフィール
ジェームス・ラティマ(James Latimer )氏
デジタルハリウッド大学大学院 12期修了生
ロンドン出身で東京を活動拠点とするバイリンガルの映画監督。
広告写真のディレクター及び長編映画の撮影監督としてキャリアを積んだのち、現在は受賞歴のあるハイブリッド・ドキュメンタリーや劇映画の監督として活動している。彼の作品テーマは主に日本と世界をつなぐ、文化を意識した視覚的に魅力的なストーリーである。
作品を通じて伝えたかったこと
日本は非常に魅力的な国です。日本人自身は普段感じていないかもしれませんが、外国人から見ると日本には多くの良さがあります。そのような外国人から見た日本の良さを、作品を通じて改めて日本人に伝えたいと思ったのです。空手で他人と戦う映画は多くありますが、この映画は「精神の葛藤」という自分との闘いがテーマであり、日本特有の沈黙や曖昧な表現、精神的な描写をKATAで表現しています。日本のコンテンツは表現が深く、いわゆるアメリカ映画のようなストレートな表現では伝えられない良さがあり、そこを今回は評価されたのだと思います。主演の高野万優さんの内面的な精神の部分を感じて欲しいと思います。
本大学院での学びについて
昔から日本のゲームにインスパイアを受けていたこともあり、日本への留学を考えていたのですが、はじめは、映画監督になるのであればロサンゼルスに行くべきだと周囲から反対されていました。ただ、私は日本に強い可能性を感じていたし、またゲームが好きでゲーム実写に挑戦したい夢もあったため、日本のコンテンツを学ぶためにデジタルハリウッド大学大学院に入学しました。日本に来た当初は、良い作品さえ作れば評価されるものだと、クリエイティブに関することばかり考えていました。ただ、自分の作品を多くの人に届けていくためには、それだけでは足りないと気付き、デジタルハリウッド大学大学院ではプロデュース、マーケティング、デジタルコンテンツなど幅広く学びました。映画製作には膨大な資金が必要です。資金調達の際に他のプロデューサーと話すことが多く、その時にどのようにすれば利益を出すことができるかを明確に伝えられるようになりました。このようにビジネス視点を身につけることができたことは私にとっては非常に大きいと思います。
これから監督業を目指す方や後輩へのメッセージ
私が修了したデジタルハリウッドには「みんなを生きるな。自分を生きよう。」というメッセージがあります。これは外国人の私から見ても共感が持てる言葉です。個性はもっと出すべきですし、自分を信じて進んでほしいと思います。また、自分の思いや熱意をどうすれば伝えられるかもぜひ考えてほしいと思います。