【デジタルハリウッド校友会インタビュー】「やっぱり“DHGS”が好き」。デジタルハリウッド大学大学院がクリエイティブ職の女性たちの心を掴む理由とは?

須藤絵理香さん(左)
デジタルハリウッド大学2011年3月卒業、デジタルハリウッド大学大学院デジタルコンテンツマネジメント修士課程2013年3月修了

清野晶子さん(中央)
デジタルハリウッド大学院デジタルコンテンツマネジメント修士課程2022年3月修了

コニシマリさん(右)
デジタルハリウッド大学大学院2022年4月入学

今回、取材をするデジタルハリウッド大学大学院の修了生2名と在校生1名。株式会社電通で広告企画を担当する須藤絵理香さん、電通のグループ会社でクリエイティブプロデューサーを務める清野晶子さん、元電通で現在はフリーランスのクリエイティブディレクターとして働くコニシマリさん。電通社内で、仕事を通じて各々が知り合いでしたが、清野さんは須藤さんをきっかけに、そしてコニシさんは清野さんをきっかけに、図らずも連鎖してデジタルハリウッド大学大学院に入学。入学したいと思った理由もデジタルハリウッド大学大学院に感じる魅力もそれぞれ。忙しく働く彼女たちが、学ぶ場としてデジタルハリウッド大学大学院(DHGS)を選んだ理由とは……? 「DHGS愛」をとことん話してもらいました。
(※このインタビューは2022年7月当時の内容です)

デジタルハリウッド大学大学院は可能性に満ちあふれた場所だと思う

Q. 須藤さんと清野さんはデジタルハリウッド大学大学院の修了生、コニシさんは在校生ということですが、デジタルハリウッド大学大学院の「魅力」を教えてください。

A. 須藤:学長が掲げている「Entertainment. Itʼs Everything!(すべてをエンタテインメントにせよ!)」という理念と、この理念に沿って動いている学生たちですね。学生たちのそういう気持ちは、話している内容や、作っている作品から感じます。あと、先生方も個性的で、授業の内容も特殊なんです。先生たちのデジタルハリウッド大学大学院を面白くしようとしている姿勢がいいな、ここにしかないなと思います。

清野:私はやっぱり「生物多様性」が、デジタルハリウッド大学大学院の魅力だと思います! 教育って小学校から段階を踏んで収斂していくものなんですよ。小学校は幅広くいろんなものを学んで、年齢を重ねるごとに少しずつ文系だ、理系だって分かれていく。一般的には大学院は過去に学んだ分野をさらに専門的に学ぶ場で、知識が同じレベルの人たちが集まってきているということが当たり前なのに、デジタルハリウッド大学大学院はそうじゃない。それこそ文系/理系など関係なく、デジタルに少しでも興味があったり、知りたいと思う気持ちがあったりするだけでそこにいる理由になる。真ん中にそういう気持ちがあって、いろんな人が集まってくるんですよね。だから考え方、職種、世代とバラバラなのが当たり前。老若男女、デジタルリテラシーが最低の人/最高の人……本当にいろんな人がいるんです。それぞれのニーズや、知りたい/学びたい気持ちみたいなものが生かされているところだと思います。

コニシ:「生物多様性」、わかります。普通、大学や大学院って突き詰めたい狭いところをどれだけ掘るかだと思うのですが、デジタルハリウッド大学大学院は「なんでもありです」という感じで間口が広い。なんでもありを受け止められるだけの素晴らしい先生方がいて、すべての人に開かれた可能性がありますよね。少しでも知りたいと思ったらいろんなものが学べて、しかもどこまでもいけるような魅力を感じています。

清野:「なんでもあり」と、コニシさんがおっしゃいましたが、なんでも受け止めてくれる先生方のおかげで、私みたいな何もわからない者でも肩身の狭い思いや恥ずかしい思いをしなかったんですよね。プリミティブなところから学ばせてもらえて、概論を理解した上で好きな人は次に行ってくださいというのがデジタルハリウッド大学大学院のいいところ。私が入学したのも、仕事でデジタルに関する知識が必要な案件が増えて、モヤモヤしたことがきっかけでした。わかる状態にしたい、デジタルについて知らなければと。そこで当時仕事で同じプロジェクトチームにいた須藤さんに「デジタルについて何もわからないのだけれど、どこの専門学校に行って勉強したらいいかな?」と相談をしたんです。

須藤:それで私は、「デジタルハリウッド大学大学院はいかがですか?」って返事をして。最初、清野さんは「私なんか無理だよ」とおっしゃっていたのですが、「無理じゃないですよ〜!」とおすすめしました。

清野:須藤さんに勧められて入ったら、結局楽しくて3年も在籍しちゃいました(笑)。長年お世話になっている広告業界という慣れ親しんだ環境から、「生物多様性」に満ちあふれたいろんな人がいる刺激的な環境への変化もよかったのだと思います。

Q. 清野さんは「デジタルについて何もわからない」状態を打破するためにデジタルハリウッド大学に入学されたとお話されていましたが、コニシさんは、どのようなきっかけでデジタルハリウッド大学大学院に入学されたのでしょうか?

A. コニシ:デジタルハリウッド大学大学院に入学する前、私は35年間、電通でクリエイティブの仕事をしていました。ところが会社勤めには定年があって、定年まであと3年みたいに勝手にゴールが設定されてしまうんですね。「定年退職=お疲れ様」みたいな慣習が自分の気持ちにフィットしない。全く嫌になってしまって……。それで、あるとき「会社を辞めます!」と宣言しました。自ら退社を早めて、新しいことを始めるための準備をしようと思ったわけです。そんな矢先、Facebookで清野さんの「デジタルハリウッド大学大学院を修了しました」という投稿が目に入って。「興味あるかも」とビビッと来たのですぐにコメント入れてお話を聞かせてもらって、その年度最後の入試を受けてと、かなりトントンと入学しました。

Q. デジタルハリウッド大学大学院は、年齢もバックグラウンドも多様な人たちが集まる場所ということが、お三方のお話をお伺いするだけでわかります。共通点がほぼないような人たちが集まると思うのですが、どんなふうに同期と仲良くなっていくのでしょうか?

A. コニシ:1学年1研究科なので、人との関わりが濃いというか、仲良くならざるを得ない状況なんですよ。私はまだ1クオーターしか在籍していないのですが、自然と仲良くなってしまう雰囲気があって、それがいいなと思っています。

須藤:人との関わり合いの濃さを、私も在学中に感じていました。学生にかまってくださる先生方やスタッフの方が本当に多いんです。目線を学生に合わせて話を聞いてくれて、相談に乗ってくれて、仲が深まるようにしてくれている。普通の大学に通っている友達に聞いてみると、先生方とはなかなか仲良くならないと言っていたので、きっとこういうところはデジタルハリウッド大学大学院ならではのよさなんじゃないかと思います。

コニシ:人との関わりでいうと、デジタルハリウッド大学大学院の人たちはオープン。大学や大学院って所属することで得られる特別な権威や、それゆえの少し閉鎖的な雰囲気があると思うんですけれど、そういうものがデジタルハリウッド大学大学院にはまったくないんです。自分の進化はみんなの進化になっていかなきゃいけない、全員で最前線を押し上げていくという感じ。みんなが「この情報は私だけのものではなくオープンソースでいきましょう」というマインドだから、誰かが困っていたら助けてあげたいと思う人がデジタルハリウッド大学大学院には多いんでしょうし、そのマインドのおかげでどんどん人とつながっていっている気がします。

清野:在学中の話ではないですが、仕事で会った人と「あなたデジタルハリウッドだったの!?」という会話で盛り上がって、デジタルハリウッドに通っていたという点だけで仲良くなった人がいますよ。アルムナイ(卒業生)は濃くて、不思議な仲間意識があるんですよね。その仲良くなった人経由でまた誰かとつながって……ということもありました。デジタルハリウッド生を起点にして人脈が広がっていくのはやっぱり嬉しいし、面白いです。

心地よい距離感で築かれていくデジタルハリウッド大学大学院の輪

Q. デジタルハリウッドならではの人とのつながりですね。先生方や他の学生、職員の方との関わりで印象的だった出来事はありますか?

清野:杉山学長の講義を受けたときに、これから先デジタルがもっと発達してロボットが仕事を全部やりますという状況になっても、仕事を楽しむということはロボットには絶対にできないことだとおっしゃっていて。楽しむことは人間の特権なのだというお話を聞いて、もうとにかくプライベートでも仕事でも、楽しいと思うことをやりたいという気持ちになったんです。杉山学長の話を聞いたすぐ後に、ファッションテックラボの若い子たちと「ハロウィンやろう!」と盛り上がって(笑)。デジタルハリウッド大学大学院にいなかったら一生、仮装なんてしなかったと思います。

須藤:私、清野さんの仮装の写真撮りに行きました。若い子たちと楽しそうにしていた姿は忘れられないです。懐かしい……。

コニシ:確かにデジタルハリウッド大学大学院の周辺では、想像もしていなかった人たちと出会うし、仲良くなるんですよね。私は今2つのラボに入っていて、一方のラボの先生は思考とか発想を話したり、共有してもらったりする、いわゆる壁打ち相手。もう一方のラボの先生はロボットの作り方を教えてくれるプラクティカルな経験に付き合ってもらう相手。お二人とも決して上から目線ではなく、一緒に考えてくれます。忘れられない授業も多いですね。フラットかつ、ほど良い距離感で、教えるというより与えてくれるんです。私はまだ数ヵ月しか在籍していないのですが、信頼できる先生が既にいるということに、自分でもびっくりしています。

須藤:先生方が教えようとしてくれる姿勢が本当にありがたかったです。コニシさんのおっしゃる、「一緒に考えてくれる」というのはまさに!です。いいタイミングでサジェスチョンしてくださるんですよ。スタッフの方々も親切にしてくださいましたが、「なんでこんなによくしてくれるんだろう?」と疑問に思うほど(笑)。在学中だけの関わりではなく、卒業してもずっとなんです。近々でもSNSを通じてやり取りをさせていただいています。

いい意味で学生のころの感覚のまま仕事ができている

Q. 最初に、須藤さんがデジハリの魅力だと語ってくださった「Entertainment. Itʼs Everything!(すべてをエンタテインメントにせよ!)」という理念を、お仕事をする中で思い出したり、心に響いたりする瞬間はありますか?

A. コニシ:以前は「エンタテインメント」は演出過剰にするとか、演出をして人々が楽しめるように仕向けるとか、そういう意味だと捉えていたのですが、「Entertainment. Itʼs Everything!」という理念を聞いて、「エンタテインメント」という言葉を表層的にしか理解できていなかったのかなと思うようになりました。意味としては間違っていないんですけどね。清野さんも似たようなことをおっしゃっていましたが、生み出すことの喜びを感じたり、楽しく発想したりすることが「エンタテインメント」なのかもしれませんね。AIができることをやっても仕方ない。

須藤:この理念のおかげで、学生時代からすべてを楽しもうという意識で、そのまま社会人になれたのはよかったですね。私、この理念をとっても気に入っているので、常に心の中に入っていますよ。クリエイティブな職業の方は、関わった仕事は面白くしたいという気持ちが強いと思うのですが、もれなく私もそうです。すべてをエンタテインメントにするのは簡単なことではありませんが、自分の関わるものを絶対に面白くしたい気持ちを保てているのは、この理念があったからこそだと思います。

清野:自分の成果をアウトプットするだけじゃなく、受け取った人たちにも面白がって欲しいですよね。私は学長の「楽しまないと人として損だ」という言葉は、これからの人生の矜持だと思っていて。やりたいことはすぐやろう、楽しもうと思うようになったのは、デジタルハリウッド大学大学院から学んだと思っています。卒業しても忘れないようにしていますよ。

Q. 自ら新しい環境に身を置くという選択をしたお三方から、デジタルハリウッド大学大学院に興味を持っている方に向けてメッセージをいただければと思います。

A. 須藤:「デジタルハリウッド大学大学院」というワードだけだと、まだまだわかりにくいとは思うのですが、ここにしかない魅力がありますし、ここでしか出会えない素晴らしい方々がたくさんいます。授業プログラム含め、どんな人にでも本気で勧めたい学校です。ちょっとでも気になるという人は飛び込んでしまうのをお勧めします。私はその思いで清野さんにお声がけしていますから。

コニシ:広告代理店で毎日刺激的な生活をしてきた私ですら、今がとっても楽しいです。「楽しいことはここにあるよ!」ということはしっかりお伝えしたい。みんな卒業したがらないし、ここに何年いるかって自慢してくるし、「なんで?」と驚いていましたが、今ではその気持ちがよくわかります。私もできるだけ長くここにいたいと思っています(笑)。大学、大学院という名前こそあれど、1回パンッとリセットして学び始められる素敵な場所ですよ。

清野:私みたいな人間でもちゃんと勉強できたから大丈夫だよ、ですかね……。私は55歳でデジタルハリウッド大学大学院に入学して、自分が最年長だと思っていたんですけど、もっと上の方がいらっしゃって。年齢関係なく、何かを目指されている方の熱量って、とてつもないんです。デジタルハリウッド大学大学院にはそういう人がたくさんいるし、熱量が高い人に囲まれると自分も奮い立たされます。いい環境ですよね。入門からきちんと学べますので、ぜひ!

【プロフィール】

須藤絵理香さん(デジタルハリウッド大学院、デジタルコンテンツマネジメント修士課程修了)(左)
2011年株式会社電通入社。プランナー/アートディレクターとして勤務。得意分野はデジタルクリエーティブで、新しい価値を生み出す企画に挑戦しながら、担当領域を広げ活動中。IPRA Winners、PR Award Asia、ACC TOKYO CREATIVITY AWARDS、THE ONE SHOW GOLD、グッドデザイン賞など国内外で受賞。

コニシマリさん(デジタルハリウッド大学大学院2022年4月入学)(中央)
2021年12月末まで株式会社電通で部長・クリエーティブディレクターとして広告コミュニケーションキャンペーン・商品開発・ブランド開発を手掛ける。2022年よりフリーランス。国内では、朝日広告賞優秀賞、日経広告賞部門賞、雑誌広告賞金、フジサンケイ広告大賞金賞 日本雑誌広告賞ほか、海外ではカンヌ国際コンクールプレス部門ブロンズ ニューヨークフェスティバルポスター部門ゴールド クレスタ賞ゴールド カンヌ国際コンクールゴールド D&AD yellow pencilほかを受賞。

清野晶子さん(デジタルハリウッド大学院デジタルコンテンツマネジメント修士課程修了)(右)
株式会社blessyouから株式会社電通第1クリエーティブディレクション局駐在。長年にわたり、広告キャンペーンやイベントにクリエーティブプロデューサーとして参画。近年はコンテンツプロデューサーとして電通、TBS、エデュソルが出資した教育事業「スコップスクール」で教育プログラムの開発に従事する。

記事掲載元:デジタルハリウッド校友会