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成果発表会「DEFRAGMENT -DHGS the DAY-」イベントレポート

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2020年2月29日、デジタルハリウッド大学駿河台キャンパスでデジタルハリウッド大学大学院成果発表会「DEFRAGMENT -DHGS the DAY-」が開かれた。

 

今年度のテーマは「DERRAGMENT」。参加者それぞれが取り組む社会課題やビジネスについて、対象とそのアプローチをあらためて紐解き、「それは世界を幸せにしているだろうか?」といった問いのもとで活動報告を行う。

 

今回のイベントは、「FRAGMENT(断片)」と名付けた3部構成。FRAGMENT 1「オンステージプレゼンテーション」は、DHGS在学生だけでなく、教員や修了生が入り乱れて登壇する。FRAGMENT 2は、展示を中心に成果物を見ながら体験できる「デモエキシビション」。そしてFRAGMENT 3は、今年度のDHGS修了生による「修了課題プレゼンテーション」の場だ。

 

今年の成果発表会は、新型コロナウイルスの影響でDHGS関係者のみが参加し、その模様をYouTubeで外部配信することになった。さまざまなプログラムの中から、特に注目を集めたプレゼンテーションを中心に当日の模様を紹介していこう。

 

 

FRAGMENT 1:それぞれの問いをめぐるオンステージプレゼンテーション

 

FRAGMENT 1は、DHGS在学生はもちろん、教員や修了生が登壇する「オンステージプレゼンテーション」。5分の制限時間で、全14組のプレゼンテーションが行われた。

 

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“開発の超効率化”を目指す、日本から世界に向けたオープンソースプロジェクト(山崎大助)

 

「その開発制度は世界を幸せにしているだろうか?」という問いからプレゼンテーションをスタートしたのは、本学准教授の山崎大助。20代後半までアパレル業界で働き、その後エンジニアとなった経歴から、自身を「遅咲きエンジニア」と称する山崎は現在、本学で教鞭をとりながらエンジニア養成学校「ジーズアカデミー」の首席講師を務めている。

 

「日本のIT産業は、受託の仕事がほとんど。if文を書いて、変数を入れて……といった、受託仕事にありがちなルーチン作業から、プログラマがどうすれば解放されるのか。日本のプログラマがもっとクリエイティブなことに目を向けられるようにするためには、こういったルーチン作業から解放されなければならない、と考えました」(山崎)

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単調な作業に追われがちなプログラマのために開発されたのが、プログラミングコードを自動で生成するツール「LaravelDB.com」だ。同ツールは、人の手によってコードを書かずともWebシステムが完成する、コード自動化システム。登録情報の入力フォームであれば、名前、ID、パスワードといった必要な要素とデータベースを設定すれば、自動でWebサイトのシステムができる。 

「LaravelDB.com」は、ルーチンになっているような当たり前の作業をすべて自動化して、プログラマがもっとクリエイティブなことに時間をかけられるようになるツールです。プログラマは、ただ作業する人ではない。無いものを作って、これからの時代を変えるものを作る人だと思っています」と、山崎はプレゼンテーションを締めくくった。

 

 

モーションキャプチャを利用したフルデジタル歯科治療への道のり(井上高暢)

 

現役歯科医師で本学学生の井上高暢は、普段も着用している白衣でプレゼンテーションに登場。「フルデジタル歯科医療は、世界を幸せにしているだろうか?」というテーマで、自身が取り組む歯科治療について語った。

 

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かみ合わせ矯正などの歯科治療は、型取りを粘土で行ったり、顎関節の検査にヘッドマウント器具とペンを使ったりと、多くの場合はまだアナログな手法をとっている。しかし、これは患者側の身体的な負担が大きく、歯の被せものの鋳造から提供までに数日間かかることが課題だった。

 

「歯科にも、フルデジタルの流れがやってくると思います。型取りをする口腔内スキャナ、三次元的に顎の情報を読み取るCTスキャン、顎の動きを顔の表面から読み取るモーションキャプチャ。この3つがデジタル上で融合すれば、精密な被せものが即日で提供できる。こうなれば患者さんも辛くないし、人為的ミスも起きなくなるのでドクターにもメリットがあります」(井上)

 

口腔内スキャンと顎のCTスキャンはすでに医療の現場で実装されているが、より精密な治療を提供するために必要な顎のモーションキャプチャはまだ実現しておらず、大学ではそこに注力して研究を行っている。井上は、「自分はデジタルに詳しくないので、もし協力してくれる人がいたら声をかけてほしい」とオーディエンスに呼びかけた。

 

 

病児保育を、てのひらに。「あずかるこちゃん」(園田正樹)

 

「私のビジョンは、安心して子どもを産み、育てられる社会を作ること。そのため、子どもと育児に関わるすべての人が笑顔になる事業を作っています」と自身の活動を語るのは、現役の産婦人科医で本学学生の園田正樹。育児をめぐる課題に触れながら、自身の手掛けるサービス「あずかるこちゃん」を紹介した。

 

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「あずかるこちゃん」は、病児を一時的に預ける病児保育施設の空室検索と予約をLINEアプリ上で行う病児保育ネット予約サービス。当日キャンセルが頻発する病児予約施設の空き状況を調べ、空室が出た施設に予約希望のユーザーを割り当てるシステムで特許を取得している。電話予約が一般的だった施設予約のフローを、スマートフォンでシンプルに実行できるのは大きなメリットだ。
 
このサービス開発には、園田自身が育児中の母親や施設に務める看護師のもとへ実際に足を運び、現場の声を聞いた体験が反映されている。
 
「突然の子どもの病気で仕事を休んでしまうお母さんは、職場の人に申し訳ない気持ちになっている。同僚は大丈夫というが、イレギュラーな仕事が回ってきて本当は辛い。上司は、いつ休むかわからない人に大事な仕事を頼みづらい。これは、誰も悪くない。でも、みんなしんどい。こんな状況を変えたいと思っています」(園田)
 
病児保育はあくまでもスタート。一時保育や学童保育、医療的ケアなど、行政の手掛ける子育て支援のアップデートが今後の園田の目標だ。
 
 
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FRAGMENT 1の司会は、本学准教授の栗谷幸助が務めた

 

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TriCo&GaWe -EC写真の画像加工システム-(株式会社team auto photo)
 
 
1-7.jpg 鼓膜画像診断Bot(土井勝之)
 
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おいでイスタンブール -映画祭を通した異文化体験からの気付き-(Evgin Semseddin)

 

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FRAGMENT 2:想像力で世界を広げるデモエキシビション

 

FRAGMENT 2「デモエキシビション」は、本学3階ラウンジエリアと駿河台ホール、4階カフェテリアの一部を会場として、ブース出展形式で行われた。

 

 

DHGS産学連携成果展示「喘ぐ大根 feat. 仮想通貨奉納祭」(市原えつこ)

 

FRAGMENT 1のプレゼンテーション会場後方に展示されていたのが、「妄想インベンター」こと市原えつこ氏による「喘ぐ大根」。市原氏主催のイベント「仮想通貨奉納祭」を本学がスポンサードしたことがきっかけとなり、今回の成果発表会に出展する運びとなった。

 

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「喘ぐ大根」は、人の手で大根を撫でると、センサーがそれを検知し男女の喘ぎ声が流れる……というもの。シンプルかつ誰もが気軽に体験できる仕組みが来場者からの注目を集め、大根の前には常に人だかりができていた。
 
 

クリエイターを科学する左手デバイス「Orbital2」(神成大樹)

 
4年前に本学を修了した神成大樹が代表を務める株式会社BRAIN MAGICは、自社プロダクト「Orbital2(オービタルツー、通称O2)」を携え出展。FRAGMENT 1で披露された神成のプレゼンテーションでO2に興味を持ち、ブースに足を運ぶ来場者が多数見受けられた。
 
 
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O2は「クリエイターの仕事をより早く、楽に実現させる」目的で開発された入力デバイス。キーボードを触ることなく、スティックを倒す・押す・回すといった入力で、それぞれの動きに割り当てられた動作をスムーズに行うのが特徴だ。動作に慣れれば、ペンの切り替えや動画の再生速度変更といった製作作業の細かな動作を0.2秒で実行できる。
 
「O2をクリエイターにとってなくてはならないデバイスにしたい」――。この理想を実現するため、BRAIN MAGICは今後、全国の大手家電量販店等の販路を拡大していく予定だ。
 
 

AR謎解きゲーム「PSYCHO-PASS サイコパス 渋谷ハザード」よりAR機能デモ展示(北野雄一)

 

3階駿河台ホール奥には、フジテレビ先端デジタルコンテンツプロデューサー北野雄一によるAR謎解きゲームの機能デモ体験コーナーが設置された。本学修了生である北野は、現在は同社でデジタル技術を利用したコンテンツ開発を手掛けている。
 
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出展された作品は、スマートフォンのAR機能を使った謎解きゲーム。プレイヤーは実際に屋外を散策し、街中に表示される問題を解き、ターゲットを射撃・攻略しながらストーリーが展開していく。ゲームに関連するオブジェクトは、特定の看板や壁をスマートフォンで読み込むことで、AR上に表示される仕組みだ。

 

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物語の世界観や登場するキャラクターは、アニメーション作品『PSYCO-PASS』に基づく。

 

「プレイヤーは犯罪捜査の指揮を執る『監視官』候補生となって、アニメに登場するキャラクターと共に事件解決に乗り出します。勤務初日の設定で、『どうせ今日はなにも起きないと思うけど』なんて会話をしていたら、事件が起こる。そこから渋谷の街に繰り出すことになるのですが……これ以上はネタバレになってしまうので内緒です」(北野)

 

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キャラクターと一緒に楽しく学ぼう! LightAR -Quiz-」(NextR)

 

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デモエキシビションの各ブースが展示されている駿河台ホールの様子

 

FRAGMENT 3:目の前の社会課題に挑む、修了課題プレゼンテーション

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「DHGS the DAY」を締めくくったのは、本年度修了生による修了課題プレゼンテーションだ。

 

修了生は、自身の研究や制作物、もしくはビジネスプランに関するプレゼンを展開した。最も優れたアウトプットを行った修了生には、本学からMVPの称号が贈られ、その後の事業化支援が約束される。

 

発表の制限時間は、FRAGMENT 1と同じく5分間。数年に亘る取り組みの成果を短時間でまとめなければいけないこともあってか、アニメーションを用いたり自身のメッセージを力強く発信したりと、高い熱量が飛び交うプレゼンタイムとなった。

 

Dub Plate -コンセントから解放されるLow Energyキャンバス-(鈴木由信)

 

トップバッターは、808(ハチマルハチ)株式会社で映像制作を中心にメディア表現を探求する鈴木由信。超省電力で使用可能な画像表示ツール「Dub Plate(ダブプレート)」のプレゼンテーションを行った。

 

「情報化社会で暮らす中で、私たちの生活は電力に制限されるようになるのでは……と思い始めました。しかし、スマホやPCの利用頻度を控えてしまっては、その利便性を享受できなくなる。そこで、充電不要なシステムで代替することで、電力インフラへの依存度を下げていこうと考えたのです」(鈴木)

 

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Dub Plateは、スマホから自分の好きな画像を転送・表示できる「ローエナジーキャンバス」。スマホ等と連動することで、名刺サイズのモニタに任意の画像をモノクロで表示する。ツールが駆動するためのエネルギーは、内蔵されたソーラーパネル等を利用してツール内でまかなうため、充電せずに使い続けられる。
 
その使用用途は多岐にわたる。例えば、電子チケットを表示させておければ、入場パスとして活用できるだろう。バーコード決済用のQRコードを表示させて社員証のように首から下げておけば、会計時にスマートフォンを取り出す必要すらない。他には、自分の趣味嗜好とあった画像を身につけるファッションアイテムとしての活用も想定している。表示させる画像に応じて、用途が広がっていくのも大きな特徴だ。
 
「情報化社会、そして電力大量消費社会で暮らしていることへの後ろめたい感情が、世の中に広がっているのではないでしょうか。それを代弁できるような一つの表現として、Dub Plateを普及させていきたい。そのなかで、少ない情報量と電力で、機能や表現の可能性を追求していこうと考えています」(鈴木)
 
 

SIH [Smart IoT Hub] -究極のIoT連携システム-(堂下雅弘)

 
スマート家電やIoT機器が流通する昨今、それを使用する人々の間に生まれる「格差」を指摘するのは、スタジオハーフオンス代表で空間デザインクリエイターとして活動する堂下雅弘だ。
 
スマートデバイスは便利だが、結局、それを使いこなせるのはごく一部の人にとどまる。デバイスは便利になればなるほど、使える人とそうでない人で二極化し、その結果として「スマートデバイス格差」は今後ますます顕著になっていくと堂下は予測する。
 
「Smart IoT Hub(SIH)」は、子どもからお年寄りまで、誰もが先進的なホームオートメーションを使用可能にする仕組みだ。通常、家庭に最新IoT機器を導入するには、機器を自宅の通信環境と接続し、その他のツールと連携させるための複雑な設定が必要になる。しかしSIHは、使用者に代わってシステム全体を設定するという。
 
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「『クロ、お願い!』と呼びかけるだけです。SIHの特徴は、最初の設定から日常利用まで、全てARのキャラクター『クロ』と会話しながら操作できる点にあります。コミュニケーションを通してユーザーデータを取得し、レコメンドの精度を高めていけば、キャラクターに対する愛着も生まれてくるはず。人間的で、お子さんからお年寄りまで使えるライフタイムバリューの高いサービスだと思っています」(堂下)

 

SIHの恩恵を受けられるのはユーザーだけではない。最新の製品を導入するハードルが低くなれば、メーカーは新しい技術を用いた製品を開発・販売しやすい環境ができる。その結果、技術の進歩・発展が飛躍的に加速していくだろう。

 

「より進化した技術を、誰もがすぐに使うことができる。SIHがスマートデバイス格差のない世界を実現します」と堂下は力強く語った。

 

 

RUN U -ランエコシステムが変えるあなたの一歩の価値-(葛西佳祐)

 
「ランニングアプリを通じて、走る人の一歩の価値を変えていきたい」と話す葛西佳祐は、スポーツ交流事業を手掛けるゼビオ株式会社に勤務している。ランニングアプリ『RUN U』のアイデアは、新たな社内事業の横展開として生まれたという。
 
「スポーツの同義語は“熱狂”である」と葛西は語る。2019年は「ワンチーム」が流行語となるほど、日本中がラグビーW杯に熱狂した。そして2020年は、より多くの人がスポーツの熱狂に触れ、自らのチャレンジを考えるだろう。その有力候補の1つがランニングだ。
 
RUN Uは、「グッズを買う」「実際に走る」「マラソン大会等のイベントに出場する」といったランニングにまつわる一連の行為(=ランニングエコシステム)を一つのアプリで完結する、いわば「ランナーのプラットフォーム」である。
 
ユーザーは、グッズ購入やランニングのモチベーション管理をアプリ上で行う。これによって利用者のデータをシューズメーカーや広告出稿企業に提供するビジネスモデルを描いている。
 
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「ランナーのビッグデータを収集することで次のビジネスを生み出すのが、私の修了課題の結論です。これは単なるランニングアプリではなく、ビジネス。そして、ランニングそのものを、速さを競うゲームから継続を競うゲームに変えていきたいです」(葛西)

 

 

 

言語構造の可視化で開く、真に有効な言語教育の形(髙橋秀禎)

 

「その教育は世界を幸せにしているだろうか?」という問いかけでプレゼンテーションを開始したのは、能力開発スタートアップ企業Nous(ノース)代表の髙橋秀禎だ。現在は英語塾を経営し、自身で教員も務めている。修了課題では、学習者のレベルを個別に診断し、当人に合った指導カリキュラムを自動生成する超個別化英語学習システム「Nous」を作成した。

 

英語学習でつまずいてしまった高校生を対象とする同システムは、始めに短いテストを通じて生徒の英語力を診断する。その後の学習プロセスでは、英文の構造や文法について、生徒それぞれの理解度に合わせた解説文を自動生成するのが大きな特徴だ。

 
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Nous開発の背景には、高校生の時に英語学習で苦労した自身の体験があった。中学1年で英語の授業について行けなくなった髙橋は、そのまま高校3年生で大学受験を迎える。当時は、「問題がわからないから答えを見るが、その解説文すらわからない」状態だったという。

 

「私くらい落ちこぼれると、明日のテストを乗り越えるのに必死で、やり直し学習をする余裕なんてありませんでした。実際にアンケートを行うと、英語が苦手だと回答した高校3年生のうち、その6割が中学2年生までに落ちこぼれたと自覚している。やり直しが不可能なまま、一人で苦しんでいる高校生はたくさんいるのです」(髙橋)

 

髙橋の運営する英語学習塾では、生徒に合わせた学習の個別最適に加え、構造言語学に基づいた指導を行っている。英文を構成する一つひとつのパーツに注目することで、レコメンデーションの精度を向上させることが可能になったという。

 

「個別最適は、教育の前提になるべきです。私たちがそのモデルケースになりたい」と髙橋は目標を語る。Nousのビジョンは、常に高校生の不可能を可能に変えていくこと。システムは完全無料で提供し、toB向けの施策を打つことでマネタイズを目指す。

 

 

インターネット投票の実現 -今の投票制度に不自由を感じているすべての人に向けて-(中谷一馬)

 
「国会議員選挙は、約1億2000万人の国民のルールと、年間100兆円規模の予算配分を決める大事なプロセス。しかし、今の投票制度では、入院している、介護を受けている、怪我をしていて動けないなど、投票所まで足を運べない人は選挙に参加できません。例えば明日が投票日だとして、東京から新潟まで行って投票しようという人はいらっしゃいますか?」(中谷)
 
現役の衆議院議員である中谷一馬によるプレゼンテーションのテーマは「インターネット投票の実現」。修了課題としてインターネット投票のプラットフォームを開設し、ネット投票導入のための法案を作成した。この法案は、今年の国会へ提出する予定だ。
 
選挙への参加は憲法で保証されているにも関わらず、諸事情あって投票所に行けない人の不自由を放置する社会であってはならない。そして、低迷する日本の投票率を底上げするためにも、「スマホでサクッと」投票できる環境を目指している。
 
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同時に中谷が指摘するのが、現在の日本と海外の選挙方法の乖離だ。近隣の韓国は投票紙に記載された候補者名の横にスタンプを押し、それを機械で読み取り開票作業を行う一方、日本の開票は手作業で行っている。依然として高コストなやり方で運用されており、日本でネット投票を実現することができれば、1回の選挙あたりおよそ1,200億円のコスト削減ができる見通しだ。

 

「『我々はどこから来たのか 我々は何者か 我々はどこへ行くのか』。たった一度の人生、生まれかたは選べないが、生き方と、後世になにをつなぐのかは、私たち自身が選ぶことができる。目の前にある社会課題を、一人ひとりが自分の力で改善すれば、世の中はもっと良くなるはずです」(中谷)

 

自身が好きだというポール・ゴーギャンによる絵画からタイトルを引用し、中谷はプレゼンテーションを締めくくった。

 

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Geeks for good. -SDGsにコードで挑む。社会派エンジニア養成スクール-(仲条高幸)
 
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声優文化研究 -日本における声優の定義とスキル分析-(ビョン ヘウォン)

 

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介護業界に朗報! -オーダーメイド完全被覆型超音波歯ブラシ-(玉木仁)

 

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ニュースのない社会に未来はない! 魅力的なニュースを創り、未来を創れ!(鎮目博道)

 

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総評:大学院は「デジハリのフラッグシップ」でなくてはならない

 

修了生がそれぞれの視点で社会課題にアプローチしたFRAGMENT 3。選考委員会が議論を尽くした結果、今年のMVPには中谷一馬の「インターネット投票の実現」が選ばれた。

 
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杉山知之学長は、「最近、国会中継を見ているとよく中谷さんを目にする。ぜひ今年度、法案を提出してほしい。多くの人が賛同してくれると思います」と、受賞した中谷に激励の言葉をかけた。

 

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「みなさんの発表を見て、『こんなにパワーがある人が大学院にいるんだ』と驚き、勇気づけられました。デジタルハリウッド大学はさまざまな教育プログラムを提供していますが、そのなかでも大学院はいわばフラッグシップなんです。『デジハリって面白いよね』と言ってもらえるような中心地でなくてはいけないと考えています。ここで院生として過ごしてくれたみなさんのおかげで、これが実現し始めていると感じました。私からは感謝の言葉しかありません」(杉山学長)

 

デジタルハリウッド大学大学院2019年度の活動は、今回の成果発表会によって一区切りとなった。彼らの立ち上げた事業およびプロジェクトは、本学修了後も継続して行われていくだろう。修了生たちのさらなる躍進に期待したい。 

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 (文・編集=ノオト/写真=長野竜成)


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