インタビュー

すべてはエンターテイメントのために 「自分のOS」を入れ替える

メディア企業に籍を置くかたわら、社会人院生として通学する北野雄一さん。新しい事業の模索をするうえで、MBAではなくデジタルハリウッド大学院での学びを選びました。修了課題ではイスラエル大使館「公認」絵本「ゆるいプラネット」を、クラウドファンディングを通して開発するプロジェクトに取り組んでいます。シナリオライター、院生によるメディアアートユニット「シンクロニズム」のプランナーとしても活動。周囲を巻き込みながら「もっと楽しい世の中」を目指す北野さんに、大学院で得たものや今後の展望についてお話を伺いました。

「それ」が楽しくあり続けるには?
大学院でデジタルの世界に

 

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-北野さんは、企業にお勤めしつつ社会人院生としてデジタルハリウッド大学大学院に通っていらっしゃいますね。どのような目的で、大学院に通い始めたのでしょうか?

 

 私はメディア企業に勤務していますが、これからのエンターテイメントがどのように進化し、発展するかを考えた時に、自分や自分のいる業界が将来的にも時代に適応を続け、成長を続けるには、新しい学びが必要だと考えるようになりました。コンテンツに出資する企業は海外の市場に目を向け、1億総クリエイター化する国内市場でも、企業にしか提供できないモノ作りの価値が加速度的に低下していく。そんな中で、自分にとって新しい文脈でエンターテイメントを捉え直す必要を感じ、大学院への進学を決めました。

 

 当初はグローバリゼーションという観点にも興味があったので、MBAも検討しました。しかし、最終的な人生の満足感や納得感を考えた時に、自分が好きなモノ作りとより直接的に関係している、デジタルを選ぶことにしました。

 

 デジタルもグローバリゼーションと同様に、あらゆる産業においてその影響を無視することができない、世界共通の言語だと思います。また、自分が尊敬するスティーブ・ジョブズは「ユーザーの体験」を第一に考えることで世の中を変えましたが、自分が提供したいと思う「オーディエンスの体験」を考える上でも、デジタルは必要不可欠な存在だと思います。ちょうどその当時、「日経ビジネス」に掲載されていた杉山学長のインタビューが目に入り、迷わずデジハリに決めました。

 

1年目に「種」2年目に「収穫」
その先につながるものを求めて

 

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-大学院では、主にどんなことを学んでいるのでしょうか?新たな発見、学びの成果についてお聞かせください。

 

 1年目は主に、WEB、ゲーム、アプリ、3Dなどのデジタル表現を幅広く学びました。ちょうどUnityや3Dプリンタ、クラウドファンディングなどが普及するタイミングだったので、それらの制作や活用、参加を通して、「モノ作りの民主化」というテーマで個人の研究を行いました。アントレプレナーシップやビジネスプランニング、ライツやファイナンスに至るまで、自分が作ったものを世の中に送り出すために必要な、ひと通りの授業を受けることができたため、プリミティブな事業の立ち上げであれば、すぐにでもできるノウハウを蓄えることができました。

 

 また、自分で開発したキャラクターがコンペで入賞し、コンテンツとして継続的に開発する機会につながったり、同じラボでバーチャルリアリティを研究していた仲間とメディアアートのユニットを結成し、それが事業につながるなど、現在取り組んでいる修了課題の「種」をまくことができました。デモやプロトタイプを作るだけではなく、リアルな世の中でそれを磨くことができるのは、研究の大きなモチベーションになります。私がやりがいを感じるのはゼロからイチを考えるコンセプトの設計や企画の部分ですが、デジハリはそれを形にしてくれる仲間に恵まれていることも魅力だと思いました。

 

週に1度は完全なオフ
大学院での勉強と仕事を両立

 

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-会社と大学院とを両立されていますが、普段はどのようなスケジュールで生活されているのでしょうか?両立のために工夫していることがあればお聞かせください。

 

 1年目は興味のある授業を徹底的に履修したので、仕事と大学院を両立させるのが大変でした。大学院の授業は平日19時から(※)なので、遅くとも18時半には退社しなければなりません。平均すると平日に週4回大学院に通っていたので、職場やプロジェクトメンバーに影響のない範囲で仕事を朝に回し、生活サイクルを最大で2時間早めることにしました。早ければ朝6時には起きて仕事をし、夜は19時から大学院。授業の後もグループワークや研究の打合せをし、26時頃まで課題やアウトプットの作業。土曜日も授業を入れていたので、1年間とはいえよく両立できたと思います。

 

 それでも大学院に通えたのは、毎日の学びがとても刺激的だったからです。また、どんなに取りたい授業があっても金曜だけは取らないようにし、必要な飲み会などはここに入れてもらうようにしました。そして週に1度日曜は完全なオフにし、大切な人と過ごしたり、好きなコンテンツをチェックする時間にしました。ハードな1年間を乗り切れたのも、こうしてオンとオフを切り替えていたからだと思います。1年目で充分な単位を取ることができたので、2年目の現在は平日週1回程度大学院に通い、残りの時間は修了課題に専念しています。

 

本大学院の平日時間割は1限 19:00~20:30/2限 20:45~22:15です。社会人の皆様の通いやすさを向上するため、2014年度より2限・土日・集中講義の拡充を行う予定です。履修を希望される科目により、時間割は異なりますので、詳しい履修シミュレーションにつきましては、個別にお問い合わせください。(個別相談会はこちら) 

 

世の中を楽しく!
大きなビジョンを描くために

 

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-大学院に通ったことで、どのような成果が得られましたか?お仕事に活かされたこと、今後活かしていきたいことをお聞かせください。

 

 大学院で得たいちばんの成果は、これまでより大きなフレームワークで物事を捉えることができるようになったことです。今動いている世の中のダイナミズムを感じ、その中で価値のあるモノとは何かを突き詰め、考えて作ることは、今の自分にとって最高にエキサイティングなことだと思っています。同時にそれは、今の自分や業界がいる立ち位置を正しく捉え、次にどんな手を打つべきかの判断をする際にも、必ず役に立つことだと思っています。

 

 いま私が研究に込めている思いは、自分が面白いと思ったモノ作りやクリエイティブが、より多くの人を巻き込みながら成長していくことです。まずは心から面白いと思えることに取り組むこと。世の中を楽しくするイノベーションは、それが実現した時に生まれるものだと思っています。

 

 同じ時代に、どれだけ多くの人がどれだけ大きなビジョンを描けるかによって、世の中の楽しさは決まると思います。そして大きなフレームワークは、そのために絶対必要なものだと思います。この記事をお読みのみなさんにも、大学院での学びを通して新しい気付きや発見を手に入れ、いっしょに世の中を楽しくしていけることを願っています。


 

プロフィール

 

北野 雄一(きたの・ゆういち)氏

メディア企業社員

1980年生まれ。メディア企業に籍を置き、大手企業のマーケティング・プロモーション企画の立案などを手掛けた後、社会人院生としてデジタルハリウッド大学大学院に入学。

 

 



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