インタビュー

300万ダウンロードアプリの開発手法/世界の音楽体験に革新を起こすプラグデバイス

 デジタルハリウッド大学院の活躍する修了生、石山貴広さん、浅枝大志さんをお招きしご紹介するセミナー「アプリコンテスト「YOKOHAMA Ups!」 同時開催セミナー~世界展開できるアプリとは?~」を、2013年11月8日に開催いたしました。  

  ICTとクリエイティブとビジネスを融合し、まさに世界を再起動しつつあるお二人に、「300万ダウンロードのヒットアプリ『My365』のデザインプロセス」「世界の音楽体験に革新を起こすプラグデバイス『PlugAir』 」を語っていただきました。 
 
 共通する考え方として
 
・誰にでも分かるコンセプトであること
・ユーザーの欲望を見つけ解決すること
 
の大切さをお話されていらっしゃいました。
 
 ビジネスの普遍的な考え方をしっかりと捉えた上で、技術とクリエイティブを用いてユーザーの気持ちを離さないサービスへ織り上げていく、これからの時代のスタンダードを生み出す力を感じられるセミナーとなりました。
 

300万ダウンロードのヒットアプリ『My365』のデザインプロセス 

 ~”誰でも理解できる”コンセプトと”村八分感”の演出~

  

  学生時代から起業し「MY365」を300万ダウンロードの大ヒットへ導く 

 
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 石山貴広「はじめまして、株式会社シロクで働いている石山という者です。ぼくの自己紹介をしますと、会社の取締役をやっておりまして、本業はデザイナー・デベロッパーもしています。デジタルハリウッド大学院の7期生です。本日はヒットさせるアプリの作り方ということでお話させて頂きます。
 
 元々、Flashデベロッパーとしてサイバーエージェントに内定をもらい、ソーシャルゲームの開発をしていました。今は、企画の最初のデザインを起こしてからWebサイトを構築することまで、すべて表面に触れることは、現在のシロク社内で一人で担当している形となります。弊社が開発したアプリ「My365」は、2年位前にリリースしました。現在は300万人が利用する日本最大級の写真SNSアプリとなります。写真を投稿するだけでなく、その中でユーザーがコミュニケーションがとれるアプリとして国内最大級の実績を誇っております。毎日、7~8万枚の写真が投稿され、写真平均で3件のコメントがあり、ユーザーの75%が女性です。若年層がかなり多用しているサービスです。
 
 この事業はコンシューマー向けですが、現在は、BtoB向けの事業の展開も始めています。最近だと、スマートフォンアプリにはプッシュ通知というものが備わっていますが、昔で言うと「メルマガ」にあたるような機能ですが、そのプッシュ通知の解析ツール「Growth Push」というものを出していたり、スマートフォンアプリケーションのデバックが労働集約的で非効率であるということを解決するための、「Growth Debug」をリリースしています。
 
 
 「MY365」の開発プロセス 失敗からの学び・コンセプトづくり
 
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 今回は、横浜のアプリコンテスト「YOKOHAMA UPS!」がテーマ、ということで、コンシューマー向けのアプリである「My365」のデザインプロセスについてお話をします。
 
 リリースまでのスケジュール感は、開発には五カ月ぐらいかかっています。開発をした学生グループで「My365」開発の前の段階で作ったWebサービスがありまして、「TwitCrew」というものです。
 コンテスト向けに出した作品です。Facebookグループのようなグループチャットのサービスを開発して、当時リリースから二週間ぐらいで、2000人程度のユーザーがついたのですが、結局このサービスはそこまで盛り上がらず、その反省点を洗い出しました。技術が好きなギークにしか受けないものになってしまった、サービスの継続利用がなく長く続けてくれないなどが反省点としてあがりました。
 
 Webサービスは、継続利用の理由がすごく大事で、みんながやっていて「まだやっていないのお前?」みたいな村八分感が大事だと感じています。開発した四人の仲間で、この失敗から学び新しいサービスを作ろうよ、という話になり、箱根に合宿して、「My365」の原形となるようなサービスを作りました。このとき、作るにあたって意識していたことがあります。それは「誰でも理解できる」「自分たちが情熱を注げる分野である」ということでした。身近な人に使ってもらえるサービスにしたいと考えていました。
 
 当時、Instagramがすごく流行っていたので、その生態系を把握し、その課題をあげていこうと考えました。海外の方は、その場その場でアップするのですが、日本の場合どらかというと、撮りためてまとめて上げる人が多いのでは、などの習慣の違いを考え抜き、出てきたのが、「その日一番の思い出を上げる」という”時間的制約”をかける、原形となるコンセプトです。
 
 日本人は俳句なんかで、五七五で表現するなど制約のある中で表現することが好きということもあり、このコンセプトが日本人に合うのではないか、ということで考えました。世界で戦うということは考えておらず、まずは日本でナンバー1になるということで考え、落とし込んでいきました。
 
 今、「My365」のキャッチコピーが「何気ない毎日は、振り返ると素敵な思い出でした。」なんですけれども、まさにこの状態が、ユーザーが到達するべきゴールであると考えています。よくありがちなのは、複雑なサービスで説明するのにコストがかかるというものは、一般受けはしないと考えています。たとえば、クックパッドは「日本最大級のユーザーレシピサイト」と分かりやすいですよね。今回のコンテストのスコープが横浜市ということで、横浜市民が、「あ、それ分かる」という言葉に落とし込むのがコンペの勝利のポイントと思います。
 
 
   ユーザーの快感をいかに仕込んでいくか
 
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 次の月に導線設計などに移って行きましたが、アプリを継続して利用してもらうためには快感を得られるということがマストと考えています。ぼくらのサービスはユーザーアクションが非常にシンプルで、起動して撮影して投稿する、というアクションの先に、いいね!が付いたりコメントが付いたり、人気順に表示されたりなどの様々な快感が用意されています。少ないアクションをした先に、その周りに色々な快感を仕込んであげる、というところが刺さったポイントだと考えています。
 
 アプリは翌日50%、7日後30%利用されていると”良い”とされています。たくさんの人に長く使ってもらうために、写真を加工できるフィルターを「Facebook」と連動したら獲得とか、明日も使ったら獲得とか、ユーザーが毎日使う動機を仕込んでいきました。
 
 人は何を使っても飽きるのですが、毎日使っているとちょっと良いことがあるという感覚だけでも、結構毎日使ってもらえるものです。「My365」は毎日写真が蓄積されていくため、続けるとサービスから抜けられなくなります。日々の思い出の蓄積がなされていく、長く続ける動機作りが大切と考えています。
 
 インターフェイスデザインでは、自分の写真に”いいね!”が付いているとか、コメントが付いている、写真のビュー数ということを可視化したいという視点でインターフェイスを起こしていきました。より自分の写真が「見られている」と感じる見せ方を工夫し、「読者モデル」の女の子を想定ユーザーとしていたため、彼女たちが嬉しいと感じるデザインにしていきました。
  
 デザイナーがエモーションを作り、エンジニアがファンクションを作る、その中間にアプリがあると考えています。ユーザーの気持ち良さを重視することが大切で、アプリケーションを使っていて楽しくない、というだけでユーザーの使用率は落ちていくと思っていて、そこを作っていくことはかなり時間を要すると思っています。
 
 
   想定ユーザー「読者モデル」を流行の火付け役に
 
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 4カ月目ぐらいには、ぼくらが、想定していた読者モデル50人ぐらいを集めて、ユーザーテストをしました。チームが大事にしていたのは、想定ユーザーが能動的に使ってもらえるか、でした。
 
 流行り廃りに関心が高くてアプリを日常的に使っている彼女たちがこの機能はいる、いらないなど意見を出していきました。例えば、「友達タブ」は不要で、自分にライクがついた、コメントがついたというニュースが欲しいということが分かりました。このように、使っている人の視点に立って機能を作ると言うことが大事だと考えています。
 
 ぼくらが思っている以上に、サービスを使ってくれているということが結果としてあり、一般公開したときに、先行して使用していた読者モデルの声が効果となり、ダウンロードに影響を与えました。公開時に10日で、10万ダウンロードぐらいまでいったのですが、ほぼTwitterの読者モデルの投稿からなどのダウンロードでした。インフルエンサーに先に使ってもらい、その後も定期的にWeb露出を行うことで、最初のダウンロードの山作りが成功したと考えています。
  
 
 Webサービスは「課題意識」から生み出される
 
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 Webサービス全般は、課題意識から生まれるものと考えています。ぼくらはInstagramに足りないものは何か、課題は何か、というところから徹底的に洗い出して「My365」を作っています。
 またユーザーが利用しないとそもそも意味がない、ということが大前提でした。一部の人に向けてつくる、という戦略ももちろんありますが、今回、老若男女に利用してもらいたいという尺度で物事を考えていったときに「My365」という形になっていったと考えています。
 そして、想定しているユーザーが「村八分感」を感じるということが大事だと考えていて、例えば、AさんとBさんとCさんがいて、AさんとBさんがすでにサービスをやっていて、Cさんに、「まだやってないの?やりなよ」という構造が生まれると波及しやすいな、と考えています。
 今回のコンテストでも、横浜市民が持っている課題意識をソリューションにするという視点で取り組むことが良いのではと思います。ありがとうございました。
 
 
 
 
 

LINKIN PARK と提携した世界の音楽体験に革新を起こすプラグデバイス『PlugAir』  

 ~買ったその場で"聞きたい""シェアしたい"に応える世界初の画期的デバイス~

 
 今、じつは、音楽が「聞きづらく」なっている
 
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浅枝「昨日発表した新しいサービスPlugAirを紹介します。
 ぼくらは、今世界初のプロダクト、イヤホンプラグ型のデバイスというものを作っていて、どういう考え方で作り、展開するのかをこれから説明します。
 
 まず、この写真を見ていただければと思うのですが、この写真、CD屋で見つけてあまりの衝撃に思わず写真を撮ってしまって。CDプレイヤーがレジの横で1980円で売っているのですね。この左横に、『買ったCD、今すぐ聞きたい!』と書いてあるんです。渋谷のタワーレコード店なんです、ここの一階というのは日本で一番CDが展示がされているところなんですが、ここにコレが置いてあるということに非常に衝撃を受けました。ここが、本日ご紹介するサービスに深く関係してきます。
 
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 さて、音楽プレイヤーは、主にスマートフォンになっています。そのスマートフォンの中にどうやって音楽を入れているのか、CDを買ってPCに入れて、MP3にして、スマートフォンにケーブルを差して、その後に同期させて、しかもその前にCD屋に行く移動時間がある。
 こう考えるとCDを買ってからスマートフォンに音楽を移動させて聞くまでに1時間以上かかります。で、この中でMacbookAirの方もいらっしゃると思いますが、そうなるとそもそもCDを取り込めない。そうすると音楽がそもそも聴かれなくなってしまうので、それを解決したいと思いました。
 
 
 買ったら、すぐにスマートフォンで聞ける プラグデバイスをつくる
 
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 お店に行った時点ですでに、手元に音楽プレイヤーを持っている。なのに、こんなに面倒臭いステップを踏まないと聞けない、これを改善したいとぼくは考えました。そこで、考えたのが、ぼくたちの作ったPlugAirです。
 
 これ、イヤホンジャックにつなげて使うものなのですが、この体験をCDと同じくらい簡単にしなくてはいけない、と考えて作りました。先ほど、石山さんが簡単に、誰でも分かるということをおっしゃっていましたが、CDは入れる、ボタン押したら動く、というものですが、スマートフォンに差す、これだけで動く、というのがPlugAirのコンセプトです。
 
 このガジェットを差すと、中にコンテンツが読み込まれて、楽曲リストが表示されて楽曲が再生される。ようするに、CDショップでこれが売られていたら、その場で聞き始める、あるいはコンサート会場で買ったら、帰りにすぐ聞き始められる、そういう体験を作りたい。
 
 種明かしをすると、実はこのガジェットの中にはほとんどデータは入っていません。これを挿すことで、アプリに「このコンテンツにアクセスしなさい」という、いわゆる鍵の役割を果たしています。でも、ユーザーとしては、何かこの中に入っているものが流れ込んできているような体験として見えます。
 
 
 3つの機能 「自分だけ!」「ドヤれる!」「拡散のご褒美」
 
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 NFCと違い、イヤホンジャックを使うこの仕組みであれば、ギャラクシーであろうと、iPadであろうと、使えます。
 この時点でCDより便利です。
 
 ただ、それだけでなく、CDにできないこともできるようにしようと考えました。
 できるのは3種類があると考えています。
 「パーソナル」「ソーシャル」「バイラル」。
 いまどきは、カタカナがとても多いので、日本語にすると、
 「自分だけ!」「ドヤれる!」「拡散のご褒美」。
 
 「自分だけ」で使えるというのは、そもそもCDの機能ですね。買ったコンテンツをすぐに視聴できる。
 
 二つめが、友達にシェアできる(ドヤれる!)、友達の電話にこれを挿せるという体験を、新しく作ろうとしているところです。
 今ある、音楽サービスやWebサービスのほとんど全てが会員登録を必要としています。これは、著作権管理のために個人識別が必要なためです。
 私たちの方法では、会員登録を不要にします。デジタル音楽では今まで誰にもできなかったからこそ、新しい。ちなみに、IDの取り方はソーシャルゲーム、パスドラのIDの取り方に近く、携帯電話のIDを会員扱いにして、個人識別しています。 なので、データの持ち主にささったか、他の人にささったかを識別できます。
 
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 この機能を利用して、三番目の機能、「ご褒美」(拡散のご褒美)をあげることができます。一人に差すと壁紙がもらえて、二人に差すとインタビュー動画が観られて、三つめを差すとシークレットトラックが公開されると、こういうことをすることによって、例えばエグザイルがこれを発売した場合、彼らのファンが、それをさらに拡散させることが、この機能で実現できる。
 
 また、戻りますが、二番目の機能のシェアに制限をかけることができるようにしようと考えています。自分に差したら10曲全部聞くことができるけれども、友達に差したら3曲しか聞くことができない。さらに、3曲渡せるけど、12時間経ったら相手のアプリから消えてしまう、など、いわゆる試し聞きの体験というものを提供することができる。
 
 このようなスマフォ時代の新しい音楽体験というものを、作ろうと考えています。
 
 
 音楽以外のすべてのコンテンツでも
 
 もちろん、音楽に限らず、映画やドラマ・マンガなどでも使えます。例えば、これがドラゴンボールの形をしていたら、ドラゴンボール1巻~10巻まで読めます、みたいなものを売ってみたいなと思っています。
 
 ビジネスモデルは、「ハードウェアを売る」「ライセンスをする」「ガジェットをカスタムデザインする」という3つが主軸となり、ここに、コンテンツポータルを付け加えることを考えています。
 
 実は、このコンテンツポータルというのが、狙っているところです。
 
 このデバイスを、音楽アーティストに売っていきます。「新しい方法で、コンテンツを売りましょう」と提供し、あるアーティストがこれをコンサートで一万人に売るとします。そうすると一万ダウンロード確定します。
 
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 先ほどの3人にバイラルでシェアするとご褒美もらえます、とすると、掛ける3でダウンロードされます。
 4万ダウンロードになります。
 これをアーティスト10人と実施したら、40万ダウンロードになる。
 
 この積み重ねで、メディア価値が生まれると考えています。
 一つのアプリにすべてのアーティスト、楽曲を集約させる。
 今、皆さんが音楽を聴くときにアプリを起動させていると思いますが、その部分をぼくらのアプリが担うと、そこにメディア価値を持たせるということを考えています。
 
 5700万人のFacebookファンを抱える LINKIN PARKと提携
 
 先週、日本でほぼ不可能とされていた音楽レーベルとの提携を、ベンチャーとして実現することができました。
 
 ユニバーサルミュージックと提携して、このガジェットをアーティストのCDの音源として発売するということになりました。
 この12月4日発売のハジというアーティストなのですが、中高生に人気のアーティストです。すでに情報告知5分後に完売した、という形で、非常に価値が出せるガジェットであると感じています。
 
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 そして、実は海外のアーティストとの提携も決まりました。世界で一番有名なロックバンドLINKIN PARKです。
 本当に偶然で日本のサマーソニックに来日した際にこの話をすることになって、「スゲエ、これはUSBの次の規格だ。すぐやろう」となって、2カ月ぐらいでやることが決定して、このガジェットをリリースすることになりました。
 
 彼ら、Facebookのファンが5700万人いるバンドなんですね。世界レベルってこういうことだなと。第一弾は、ファンクラブに配布するというところからスタートしますが、来年に向けて、発売やコンサートに合わせて提供をするなどを進めていこうと考えています。アメリカ企業に真似される前に自分たち自身で、世界レベルでリリースができるのを嬉しく思っています。
 もちろん、特許も出願しているのですが、面白いものだと真似される。真似されることに対抗するには、先に事例を作ることなんですね。ぼくらは先にグローバルにやる、それをどうやって実現するのかということを意識していたので、今回彼らとやれたというのは、目指していたものを実現できたなと思っています。
 
 これと共通しますが、 アメリカと日本で一気に展開するというのが戦略なので、日本語版・英語版両方出していきます。
 
 
 Squareが目指す「現金のない世界」 クラウドが可能にする世界へ
 
   ぼくらの大きな野望というかビジョンというところを考えた時に、クレジットカードのSquareと非常に似ていることに気づきました。似ていると言っても、プラグを使うというところではなくて、彼らが目指している世界とその目指し方が、ぼくらのやり方と非常に似ているのです。
 
 アメリカでは、Paypalというサービスがあります。世界最大のオンライン決済サービスですね。Squareはこれに対抗しているサービスです。このサービスに、みんな突っ込みを入れるんですよね。Paypalでクレジットカードの情報を登録しておけば、すぐ決済できるのに、何でわざわざSquareを買うんだ、と。
 
 これは、ぼくの勝手な解釈なんですけど、Squareの究極の目標は、「現金のない世界」を作ること。ようするに、すべてをクラウドに持っていこうとしている。現金だけでなく、クレジットカードですら、使わない世界。すべての人がお金の価値というものをクラウド上に置いてしまっている世界。もちろんPaypalも同様です。
 
 でも、一方で頑なにクレジットカードを持たない人がいるので、その人たちを如何にクラウドの世界に持っていくのかというのを、Squareはチャレンジしている。 
 その例として、お金の送金をeメールだけで行う、などという試みもしています。メールのタイトルに「10$」と入れるだけで送金ができるというサービスです。
 
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 ビートロボが目指しているのは、「パッケージが無くなる世界」というものです。 iTunesとかレコチョクなどすべてデジタルのサービスが存在しています。ただ、この人たちはiTunesカードを買うなどの行為を乗り越えている人なので、まだ、"CDを使う人"は取り残されている。その人たちを、クラウドに連れていくことを考えています。 
 
 そして、イヤホンジャックはまだまだ残るだろうということ。 全世界でNFC搭載のスマートフォンが普及する未来というのは、まだ来ないので、このイヤホンジャックを通じてクラウドに持っていくことが最適と考えています。
 
 このビジョンを世界最速で真似される前に拡大していこうというのが、ぼくらのビジョンです。
 

「普通の人が使える」という考え方

 -大ヒットするものに対して共通する「普通の人にあわせるという基準」という考え方があるのではないか、と感じましたが、気づくキッカケというようなものはありますか?
 
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石山「浅枝さんが、出していた写真「買ったら今すぐ聞きたい!」という欲望、これが非常にわかりやすい内容なんではないかと思います。Instagramの良いポイントがあって、写真が汚いという課題をフィルターということで解決している、写真が重いという課題を見せ方の工夫で、あたかもすぐ投稿できているように見せ方をしていたり、そういった使われているアプリには理由があって、そこを明らかにしていくことが大事だと思います。」
 
 -何で、"音楽"だったのでしょうか。
 
浅枝「誰も手を出そうとしなかったからです。 日本で音楽サービスをベンチャーがやってはいけない、やれるような環境が存在しないんです。 
 日本だとコミニティ内でユーザーが勝手に音楽をアップロードして権利侵害すると、サービス側の責任になるんですね。アメリカでは、諸々の手続きでサービス提供者が免責される仕組みがある。日本ではそれがなく、じゃあ対応方法はどうしたら良いですか、と聞くと権利侵害ができないようにそもそもアップロード機能をなくしてください、という回答になる。
 
 音楽サービスは誰も手を出さないので、小さなことをやっても変化が大きい。その基準で世界が変わる。みんなが動けないところに、自分が入って無茶をすることで世の中が少しでも変わるならそれは最高なので、ある意味その快感のために生きています。 今、音楽レーベルを説得できた、デジタルの時代にはなるけどCDとの溝ができていて移行が済んでいない、ということは、すべてがデジタルになる手前で、「CDの次のメディア」になれるんじゃないか。それをみんなが本当のことだと信じてもらうようにはどうするかを考えています。 」
 
 -どこで事業化できるというポイントが出てくるのでしょうか。
 
浅枝「ぼくの場合は、サービスを考えるときは、未来人設定というもので考えます。10年後の世界から俺は戻ってきたから未来は全部わかっている、既知のものであるという設定です。子供がCDの使い方がわからなくて困っていたよ、とか、10年後の未来を妄想します。たとえば今回のテーマの横浜であれば、10年後の横浜に住む小学四年生が朝、何で映像を見ているかということを考えると、テレビではなくてタブレットなんだろうな、とか、考えてみたりしますね。そこに合う事業を考える。」
 
石山「最初は事業化はあまり考えていなくて、人が集まるサービスにすればInstagramのように買収されるのでは、ということを考えていました。浅枝さんのように10年後というバックキャストの考え方というよりは、「今」の問題にフォーカスしています。回覧板のようなもの、地域の今の課題などにメスを入れていくこと、世界を視野というよりは、小さいところから外へ外へというところで物を見ていることが多いです。」
 
 - 本日は、ありがとうございました。
 
 2013年11月8日 デジタルハリウッド大学院  メディアライブラリー
 
 
 

登壇者のご紹介

 
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浅枝 大志(あさえだ・ひろし)

デジタルハリウッド大学大学院デジタルコンテンツマネジメント修士課程修了/Beatrobo CEOファウンダー

1983年生まれ。青山学院大学経営学部卒。2005年9月、学生時代に株式会社立ち上げに参画、秋葉原にて美容室を開業、取締役に就任。2006年11月、株式会社メルティングドッツ設立。同社、代表取締役に就任。 仮想空間やソーシャルメディアコンサルティング、海外企業参入支援を行う。2011年12月、ソーシャル音楽視聴サービス「Beatrobo」をリリース、2013年11月にイヤホンプラグ型ハードウェア「PlugAir」をリリース。

 

▼「Beatrobo」 https://corp.beatrobo.com/

 

 

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石山 貴広(いしやま・たかひろ)

デジタルハリウッド大学大学院デジタルコンテンツマネジメント修士課程修了/株式会社シロク取締役CCO/株式会社サイバーエージェント

1987年東京都生まれ。デジタルハリウッド大学在学中、ビジネスコンテストを主催するKING2007 デザイン局長を担当。ファッション雑誌デザイナーとして実務経験を積んでいる中、em factory、福井県鯖江市地域活性などの全国規模コンペティションにてグランプリを取り、インターネット産業の魅力に影響を受ける。My365プロジェクトを、学生時代より開始し、サイバーエージェントに新卒入社と同時に、同社の子会社として株式会社シロクを設立しアプリをリリース。300万ダウンロードを達成した。

▼「My365」 http://my365.in/

 
 この記事へのお問い合わせ先  デジタルハリウッド大学大学院
   

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