インタビュー

デジタルコミュニケーションでファッション業界に変革を

グローバル化とデジタル化により各業界にて変革が求められるなか、ファッション分野でイノベーションにチャレンジを続ける修了生の平田元吉さん。『Mercedes-Benz Fashion Week TOKYO』などのコレクションショーのライブ配信を手掛け、ファッション業界におけるデジタルメディアの活用とグローバル化に力を注いでいらっしゃいます。

平田さんは大学院で何を獲得し、これからのデジタルコミュニケーション時代をどのように見据えているのでしょうか?お話をお伺いしました。

-平田さんが大学院で得たことは何ですか?

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一つは「成長する技術」です。僕は独立して9年位経ったあと、ある程度の年齢になってから大学院に入学しました。仕事も順調だったので、自分に出来ていないことが見えにくくなっていた頃でした。

そんな時に、大きく歳の離れた院生とフラットに話す経験や、クリエイティブな思考法などを学べる授業の数々が、今の自分に出来ていない部分を気づかせてくれました。

たとえばソフトウェアの使い方など、具体的な制作技術は時代によって変わりますが、「成長する技術」は普遍的なものです。まだまだ未完成ですが、時代にあった形の目標を作り、それを追求できるノウハウを得られたのは、とても有意義な経験でした。

もう一つは「想定外の経験」です。ロサンジェルスで開催された「SIGGRAPH」(世界最大のCGの学会・展示会)に出展できたことは本当に想定外でした。「コンテンツ情報処理ラボ」で出会った仲間とともに、アバターとファッションを組み合わせて世界中の傾向調査を発表したのです。大学院生でなくてもツアーとして参加することは出来たかもしれませんが、出展者の立場としての参加はあり得なかったでしょう。たくさんの出会いから大きな衝撃を受けましたし、毎晩パーティーで、とても楽しかったです(笑)

-デジタルコミュニケーションの未来について、平田さんはどのようにお考えですか?

pht_vol03_02.jpg僕は"創発"という言葉が好きです。今は、ソーシャルメディアなどを通じてリアルタイムにアイデアを出し合っていく、双方向のコミュニケーションが可能な時代になりました。

僕自身もファッションショーのライブ配信を行っていますが、ソーシャルメディアの連携による可能性を強く感じています。視聴者が自らアウトプットできるため、脳が開いた状態になり、そのイベントが心の奥底に響き、視聴者自身の成長につながります。

こうしたコミュニケーションを通じて、社会や産業に新しいカテゴリーやレイヤーが生まれ、人々の価値観が変わるのでしょう。その時に新しい未来が拓けるのだと思います。

価値観は既に変わり始めています。iPhoneの登場が象徴的であるように、デジタルとアナログの差異が無くなり始めました。しかしサービスの提供側である業界は、既存の価値観や仕組みの中で形成されています。まだ社会がいびつな状態にあるので、この部分を変えていきたいと考えています。

これから世界がどう動いていくのか、まだ想像つかない部分もあります。しかし前に進んでいかなくてはならない。デジタルコミュニケーションの力を生かして、僕自身も成長し、これからも挑戦を続けたいと考えています。



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