成果発表会の動画アーカイヴ

2011年度成果発表会~DHGSコレクション2011~(デジコレ2011)

去る2012年3月10日(土)に、「2011年度成果発表会~DHGSコレクション2011~」を開催いたしました。当日は総勢150名もの方々にご来場頂き、5時間もの長丁場ながら、85%の方に「来年も是非参加したい」との回答を頂きました。研究報告からプロの落語家の登場までバラエティに富んだ当日の発表内容を、一部映像を交えながらご紹介いたします。

発表一覧

人気アプリ「My365」開発者による研究報告
「スマートフォン時代におけるブラウジングの最適化」

石山貴広

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大学院在学中に企画開発したアプリが公開3ヶ月で50万ダウンロードに達した石山さん、そのアプリにおいても重要な要素である「画像」に注目し、研究に取り組みました。まずユーザー満足度を高めるための各種技術の調査とその実証実験を行い、画像表示高速化のノウハウを確立しました。綿密に先行事例を調査し、実際に実験用のWEBサイトを構築してユーザビリティテストを繰り返しました。技術をいかにして運用し、その組み合わせで効果を発揮してゆくか、ということを追求した価値ある研究です。

キャラクターによる中国初等教育絵本ビジネスプラン
「中国子供向けキャラクター絵本(百科図鑑)」

陸丹琦(リクタンキ)

陸さんは中国の絵本市場、教育環境について、日本の絵本市場、教育事情と比較しながらリサーチしました。そのなかで中国国内の「民族」の価値に注目し、総勢56にのぼる民族衣装をモチーフとした愛らしいキャラクター達を自らの手で描き起こしました。またビジュアル面だけでなく、それぞれの民族の風習や文化といった背景も調査したことにより、絵本向けの用途に限らず、民族を軸とした発展性のあるコンテンツに変容させることができる可能性を持つ取り組みとなりました。

カワイイから始まるレコメンドメディアビジネス
「画像付きWEB情報のパーソナライズド・レコメンドメディアの開発と
インタレストグラフ活用ビジネスモデル」

下西弘二

下西さんの考案したビジネスモデルは従来のレコメンドエンジンと一線画す新しいメディアのアイデア。「カワイイ」を軸に、ユーザーが興味を持ったものをクリッピングし、その情報を匿名で共有することができます。加えて興味を喚起する要因として、他ユーザーの情報をレコメンドすることで精度の高い情報共有が可能にします。またシームレスにECサイトへの誘導されることや、画像認識による候補抽出機能を今後確立することで、これまでにはない新しい興味喚起と購買促進の仕組みが期待される取り組みです。

スポーツ×ソーシャルによるビジネスモデル
ソーシャルメディアとコンテンツでプロモーションするストリートスポーツ

大島ダヴィッド

ニッチでも世界に熱狂的なファンがいると言われている「フリースタイルバスケットボール」の世界チャンピオンが日本に居ることを知った大島さんは、プロモーション用のYouTubeチャンネルを立ち上げ、半年で大きな成果を上げました。その実績を元に構成されたこのビジネスプラン、撮影機材や撮影方法はこれまでの放送業界では考えられないような斬新なもので、それによって出来上がった映像のクオリティも極めて高いものとなっています。

AR技術によるデジタル教材コンテンツビジネスモデル
「中国におけるAR教育コンテンツ普及可能性の考査と研究」

李孟瑜(リモウユ)

李さんの取り組みはAR tool kitを活用した複数マーカーによるAR教材で、元素の化学反応デモや、地球の立体断面のアニメーションなど、インパクトのある教育コンテンツを作り上げました。しかしこれらの完成度もさることながら、AR技術を用いることで目に見えないものや現実に見ることができないような事象を可視化することに成功しており、プロトタイプながらもARの可能性を示した研究といえます。あわせて、中国におけるARやIT教育の普及や市場性も調査しまとめていて、今後の発展に期待が高まるところです。

最強球団から考察するスポーツコンテンツ研究
「TV放送初期におけるプロ野球中継と一極集中構造の研究」

水上圭輔

水上さんの研究は「プロ野球における一極集中構造」という一般的には常識として共有されているといえるものが、それらは果たして真実であるのかを探るため、10年分にも上るデータを地道に検証し、極めてはっきりした結論を導き出したものです。当たり前のものと考えられているものに対し丁寧な研究アプローチを重ねることで、多様化しているスポーツビジネス分野だけでなく、メディアにおけるコンテンツ制作のあり方も検討することとなっています

動画共有サイトにおけるヒットモデル研究
「ウェブ動画のヒット手法提案-動画共有サイトにおけるヒットパターン分析より-」

川名徹

動画共有サイトにおけるヒットとは何を意味するか?この視点から川名さんは「ニコニコ動画」に注目し、ヒットコンテンツと呼ばれる作品をさまざまな角度から分析しました。その結果、ヒットコンテンツは6つのタイプに分類できることを発見。またヒットの要因をパターン化のうえ分析し、これまでの消費者行動モデルから独自にサイトビューワーの行動モデルを構築しました。主に個人クリエイターのニーズに応えるべく、動画共有サイトにおけるヒット手法を仮説・検証するという研究は、極めて先進的であり、既に多方面から注目を集めています。

新演出技術×落語研究
「落語におけるMixed Reality技術を応用した
エンタメ・コンテンツの研究開発」

野口修平(インタラクティブ・
リアルタイム・コンテンツラボより)

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「インタラクティブなリアルタイムに反応するデジタルコンテンツ」というテーマの科目から誕生した研究で、落語とデジタルコンテンツの融合の可能性を追求した野口さんによる取り組みです。実際に落語家とコンタクトを取り、実験コンテンツの企画と制作、ユーザーテストを行い、落語とデジタルコンテンツの可能性への期待や有効性を導き出しました。さらに、よりアートとしてのコンテンツの可能性や、Kinect(tm)を使用したインタラクティブ性に関して実験を重ね、新しいエンタメ分野の興行も視野に入りつつある本研究、当日は協力していただいた落語家も登壇する華やかな発表となりました。

キャラクターを用いた地域振興によるビジネスモデル
「世界遺産白川郷ご当地キャラクターアニメーションシリーズの創出」

澤田裕太郎(キャラクター
ビジネスラボより)

研究実践科目「キャラクタービジネスラボ」では2011年度はキャラクターツーリズムや地域との連携をテーマに取り組んできました。その中で、世界遺産「白川郷」のキャラクター「ニュウニュウ」に着目し、地域への実地調査から始まり、地域活性化と観光業への提言を行いました。既存のキャラクター「ニュウニュウ」を生かしたいという思いから、キャラクターの立体化、アニメーション製作、Made in 白川郷 の商品開発におけるキャラクターの開発までを実施、それらを白川村観光協会へプレゼンし好評を博した様子もあわせて報告しました。

Facebook photoを活用したB to Bビジネスモデル
「ソーシャルメディアマーケティングソリューション "sympathy tag"」

横田清夏

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急成長が続き、社会のインフラとなりつつあるFacebookにおいてまだ活用されていないポイントを的確に発見し、事業として展開するに十分値するビジネスプランを作り上げた横田さん。そのアイデアと技術は、データマイニングの視点から、ビジネスだけでなく地域活性など非経済活動に対してもポジティブな影響をおよぼすことが可能と言え、その拡張性の高さに期待が持てるところです。技術自体は既存のものの組み合わせでありながら、新たな価値を市場に提供できており、実現性の面から見ても高い可能性をもつビジネスプランといえます。

ファッションの現場におけるライブメディア活用研究報告
「ファッション×ソーシャルメディアの未来」

平田元吉

平田さんは、ファッション業界に“ライブメディア”といわれるインターネットを軸としたリアルタイム配信技術を持ち込むことにより、ブランドとファンのつながりを作ることを通じて、ビジネス機会の拡大にトライしています。特に2011年秋に開催された「メルセデス・ベンツファッション・ウィーク 東京」の場での取り組みでは大きな成果を上げました。ブランドとソーシャルメディアの関係を見る研究としても、その一例として評価できるビジネスプランです。世界でも最先端のこの取り組みに大きな注目が集まっています。

総評

杉山知之学長

杉山知之教員からのコメント(書き起こし)
本日は大勢の方にお越し頂き、またUstreamでも多くの方にご覧頂き、ありがとうございました。このデジタルハリウッド大学院は、1994年にデジタルハリウッドを設立した時から「21世紀には大学院を作ろう」と決めていました。それは「デジタルコミュニケーションが全産業を革新するはずだ」という、私の想いから始まったものです。そして今、それぞれの産業は色々な壁にぶつかっています。コンテンツ自体をデジタルで作っていない産業にさえも、変化の波は及んでいます。平田さんの発表のファッション産業も良い例ですし、観光や教育など、完成されたシステムがあるところに、ソーシャルメディアなどの先端のものが入り込んでいくと、既存の仕事のやり方との「戦い」になります。そこで、まともに戦っていくのか、新しい流れを作っていくのか。大島ダヴィットさんの発表のように、誰の力も借りずに新しい流れを作るという形も、今日見ることができました。この新しい流れの中で、学校の中にこもって研究するだけでなく、外の人と実践的に取り組んでいく中で、本当の苦労や、逆にやりがいも見つかります。その現実世界の変革に対して、この本大学院生たちは、少しだけ早く変革を起こそうとします。研究機関には色々なものがあってよいと思いますが、この立ち位置はデジタルハリウッド大学院らしいと本日のデジコレで再確認することができました。5時間という長い時間でしたが、勉強できるところが多くて、皆さんのお役に立てたいくつかの発表があったと思います。今日の参加者の中には4月から新たに入学する方もいらっしゃるとのこと、先輩たちを越え凄いことを成し遂げて欲しいと思います。これからも皆さん、頑張ってください。