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ビジネスにイノベーションを起こす次世代プロデューサーになる方法
~デジタル時代に求められる「ビジネス」「クリエイティブ」「ICT」の
戦略的融合とは~を開催しました

2010年1月23日に、監査法人トーマツTMTグループシニアマネージャーであり、デジタルハリウッド大学大学院で「特ゼミ」を担当される専任教授、小田実教授による特別講義「ビジネスにイノベーションを起こす次世代プロデューサーになる方法~デジタル時代に求められる「ビジネス」「クリエイティブ」「ICT」の戦略的融合とは~』を開催いたしました。


なぜIT・コンテンツなのか?

特別講義全体の様子

初めに、21世紀のビジネスにはデジタルコンテンツとIT戦略が必要だと小田教授は指摘されました。

「現在、企業成長シナリオにおいて、2つの課題があります。1つは持続的成長を維持する為の、技術進歩、特にインターネットの活用。もう1つは、勝ち残りのための行動様式としてInnovativeであらねばならないということです」

また、1997年発端の金融ビッグバンから10年後に再び起こったリーマンショックの真実についても触れられました。

「リーマンショックの真実は、不況ではありません。『勝ち組』、『投資家』が変わっただけなのです。また、金融主体経済は終わりを迎えたと、アメリカのオバマ大統領も言っています。つまり、大企業安定神話の崩壊が始まったのです。日本のトップ企業は初めての挫折を経験し、消費者のブランド崇拝が終わり、厳しい効果測定を企業は求め始めています。逆に真に効果的で新しいものへの期待が高まっています。だからこそ今、技術ベンチャーの時代へ移行していると言えます。IT・コンテンツが21世紀ビジネスの成功の鍵なのです」


イノベーションをSPECとSTYLEで考察する

イノベーションとは、「IT・コンテンツの活用により、ビジネスモデルやサービス対象が画期的に変化すること」という定義がされています。

「SPEC型はIT・コンテンツの進歩を指しています。安くなった、大きくなった、というように製品やサービスそのものの機能性が良くなっただけです。一方で、SPEC型はIT・コンテンツによる生活・ビジネスの変化を意味しています。私たちのライフスタイルやビジネス構造そのものに変化が現れるのです」

ここで、小田教授は携帯ビジネスを事例にイノベーションをSPECとSTYLEで考察されました。そして、21世紀のビジネスプロデューサーはSTYLE型のイノベーションを追及していく必要があるとおっしゃいました。


ICT・ビジネスによるイノベーション

では、実際にどのようなイノベーションが現在私たちの周りで起こっているのでしょうか?小田教授は3つのトピックスについてご説明くださいました。

持たざる経営

「急成長したオンラインゲームビジネスでは、データセンターやコールセンター、課金決済代行会社、さらには開発すらもディベロッパーに委託すれば、必ずしも自前で全てを調達する必要はありません。ビジネスにおいては『ビジネスモデル』そのものが重要です」

完成流通からアドオン型流通

「流通形態も完成型からアドオン型に変化しています。例えば、オンラインゲーム・ソーシャルアプリは基本料金は無料です。しかし、キャラクター、MAP、アイテムなどのダウンロードコンテンツを充実させることで、ユーザーが欲しいコンテンツを追加していきます。良い意味で『永遠に完成しない』コンテンツとなったのです」

流通フリーと課金型コンテンツ

「Amazon.comのイノベーションはWeb2.0の代表的な成功事例として認知されていますが、Amazonは新しい展開を開始しています。それが最近話題のKindleです。Kindleのビジネスモデルのポイントは電子コンテンツであるという点ではなく、通信料をAmazon.comが負担することで、無料で電子書籍や新聞記事がダウンロードできる点にあります。事業計画に基づき、アナログ流通時代からの優位性戦略を立てているわけですが、もはや、通信料や基本利用料だけでは稼げない時代となっていることを象徴しています」


ビジネスにイノベーションを起こす次世代プロデューサーとは

小田教授による講義の様子

小田教授は長期的視野に基づく「事業計画」「ビジョン」の大切さを指摘されました。

「ビジョンに基づく事業計画で勝算を見込めるから、無料にできるのです。ビジョンがあるから、持たざる経営でも動かせるのです。一方でビジョンが無いから、自分のやれる範囲しか思いつかないのです。ビジネスにイノベーションを起こす次世代プロデューサーには、このビジョンが求められます。ビジョンを構築する為には、『ビジネス』『クリエイティブ』『ICT』、この3つをきちんと理解した上で、戦略的に融合させる必要があります」

また、日本企業では学閥と年功を重視してきたが、世界的には専門性と対等な学歴を重視しており、日本はIT・コンテンツに関する学位すらなかった後進国であると小田教授。 最も重要なものは「専門性」、即ち「学位」であり、国策の期待を担ったデジタルコンテンツマネジメント修士であるとのこと。また、日本の「経験」を積めない風土についても触れられ、欧米での経営者評価尺度が極端に言うと「今まで何社失敗した?」という会話に代表される一方、日本では一度でも失敗すると「人生の落伍者」扱いされる点を指摘されました。

「だからこそ、デジタルコンテンツマネジメント修士を皆さんにお勧めしたいのです。欧米の価値観とあった実学を学べ、オールドエコノミーのビジネススクールでは達成できないInnovativeを体感し、Equal Partner、即ち対等のパートナーとしての学位が取得でき、実務家教員や社会人大学院生との専門ネットワークを構築することができます」


次世代ビジネスプロデューサー育成の為の「特ゼミ」

特別講義での小田教授

小田教授はデジタルハリウッド大学大学院で「特ゼミ」をご担当していらっしゃいます。

「特ゼミでは毎年、優れたプランを投資家の前で発表する『ビジネスプラン発表会』を開催しております。これはスキル習得の為の経験の場として設けているものです。なぜなら、日本でも官民によって様々なビジネスプラン発表会が開催されていますが、申込用紙に過去3年間の収支実績を求められたり、初心者にはハードルが高いのが現状です。私は日本にいながら欧米式の経験の場を院生の皆さんに提供したいと思い、毎年『ビジネスプラン発表会』を開催しております」

「3段階で『事業計画』『プレゼン』を実施し、最終的には官民の専門家からの評価をフィードバックします。デジタルハリウッド大学院には専門スクールや大学がありますので、クリエイティブスキルがなくても挑戦できます。また、専門家からの評価リスクは私たち教員が被りますので、失敗を恐れる必要はありません。そして、アンケート評価や成功は全て個人に還元させていただきます。デジタルハリウッド大学大学院で、デジタルコンテンツマネジメント修士を取得された上で、その過程で学んだことやネットワークを活かし、皆様が次世代ビジネスプロデューサーとしてご活躍いただけると幸いです」

セミナー終了後も活発な質問や名刺交換が多数あり、参加者の皆様にも大変満足していただける有意義な特別講義となりました。


講師プロフィール

写真:小田 実 選任教授

プロフィール

小田 実 専任教授

有限責任監査法人トーマツ TMTグループ シニアマネジャー

神戸大学工学部卒業。大手メーカーの設計開発・情報システム業務を経験後、外資系コンサルティング会社を経て監査法人トーマツに入社。各種コンサルティングやベンチャー支援業務に従事する傍ら、TMT(情報・メディア・通信)グループとしてコンテンツビジネスをサポート。TMTメンバーにて「コンテンツビジネスマネジメント」を執筆。

担当科目

特ゼミ


取材・原稿:熊谷有加

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