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オバマ・スピーチに学ぶ「戦略的話術」
~ビジネスシーンで聞き手を惹き付ける、
実践心理学NLPプレゼンテーションの極意~を開催しました

2009年11月14日に、本大学院の客員教授である二階堂忠春教授、田中千尋教授による「オバマ・スピーチに学ぶ『戦略的話術』 ~ビジネスシーンで聞き手を惹き付ける、実践心理学NLPプレゼンテーションの極意~」を秋葉原メインキャンパスで開催いたしました。

両教授は書籍「『戦略的話術』~オバマに学ぶNLPプレゼンテーション~」(廣済堂出版)の共著者でもあります。

オバマ・スピーチに学ぶ「戦略的話術」会場の様子

別名「コミュニケーション心理学」とも呼ばれ、脳の働き(五感)を効果的に利用して、卓越した成果やコミュニケーション能力を上げるためのスキル体系であるNLP(Neuro-Linguistic Programming:神経言語プログラミング)。

今できないと思っていることがどうすればできるようになるのか?また、今自分ができていることが何故上手くいっているのか理解し、相手にどのように伝えればよいのか?オバマ大統領の演説をNLPという手法を用いて分解し、解説していただくことで、会議、プレゼン、交渉など、あらゆるビジネスシーンで使えるノウハウや考え方を紹介してくださいました。


人を動かす「影響力のある話し方」とは(二階堂教授)

まず、NLPについて二階堂教授から説明がありました。

オバマ・スピーチに学ぶ「戦略的話術」での二階堂教授

「例えばプレゼンテーションという枠組みで考えてみましょう。こんなパターンの人がいます。プレゼンが近づくと『気が重い』と感じ、心の中で『うまくいかないだろうな』と言葉をつぶやいてしまいます。そうなるとなかなか上手く話すことはできません。逆に上手くいく人は、プレゼンが近づくとわくわくするんです。心の中でもわくわくするなと言い、皆さんがにこにこ拍手をしている映像をイメージするのです」

「NLPを理解することで、神経、五感を働かせて外界を認知し、五感に影響を与えるように言葉で伝えられるようになります。相手に対してだけではなく、自分の心の中で繰り返していく言葉、即ち『内部対話』を書き換えていくことで、自分自身をより良い状態に導くことも可能です」


聴衆と素早く信頼関係を築く方法(田中教授)

「近づく」というテーマの手がかりとなる考え方の中に、NLPでは「ラポール」というものがあります。「ラポール」とは「心と心の架け橋」、つまり信頼関係が築けた状態を心理学の世界では「ラポール」といいます。

「『ラポール』を築くために、NLPでは『ペーシング』というスキルがあります。これには『類似性の法則』というものが大きな影響を与えます。人は初対面で関係性が築けていない人には警戒心を覚えるそうです。しかし共通事項があることに気づくと、私たちは安心するのです。例えば、出身地方、出身校、趣味等が同じだとすごく早く信頼関係が築けたというご経験はありませんか?オバマ大統領は演説をする際に、そこにいるであろう方々が『自分のこと』と思えるような話しかけをされています」

オバマ・スピーチに学ぶ「戦略的話術」でのワークショップの様子

ここでペアワークが行われました。

  1. Aさん/腕と足を組む Bさん/ひざに手を置く
  2. Aさん/腕と足を組む Bさん/同じく腕と足を組む

1.ではAさんはBさんより弱い立場だと感じたのに、2.では安心、対等な感覚になった、などの感想が出てきました。相手に近づくということ、素早く信頼関係を築くということが、体の動き、見た目という「視覚」でも可能だということが分かりました。

私たちは小さな子どもと話すとき、目線や話し方を合わせるなど自然とペーシングが実践できている一方、ビジネスシーンになると「伝えたい」という気持ちが先行してしまい、意識のフォーカスが自分に向く結果、相手へのペーシングを忘れがちになってしまうそうです。

また、NLPでは私たちは五感を使って物事を認知していくと考えており、視覚優位、聴覚優位、体感覚優位という3つのパターンに分類されるそうです。実際に、オバマ大統領は影響を与える全ての感覚を刺激するような演説をしています。

「自分の利き感覚を認識していないと、偏ったプレゼンテーションになりやすいです。視覚、聴覚、体感覚の全てが網羅されているようなプレゼンテーションを意識してください。そのためにも、まず、聞き手の状況を把握してください。聞き手はどのような人か?どうしてその場に集まっているのか? 何に興味を持っているのか?どんな状況にあるのか?話し手は聞き手と繫がる瞬間を作るためにペーシングをするのです」


潜在意識に伝わるストーリーテリング(二階堂教授)

オバマ大統領は老人介護施設での自身の介護体験を交えた演説をされています。単に「福祉を充実させます」と演説するより、説得力があるのは何故でしょうか?

「話し手の体験からくる話には迫力があり、説得力があるからです。聞き手はオバマ大統領が介護しているシーンが目に浮かべます。また、聞き手は自分の経験と照らし合わせる為、『自己説得』という効果が生まれます。聞き手は自分のおじいさんや近所のおじいさんなど、自分の経験と照らし合わせながら話を聞いたことでしょう。相手の心を動かすこと、それがストーリーテリングの大きな効果です」

これはストーリーテリングのメソッドとして確立しており、世の中で成功した映画・ドラマなどはある一定のパターンが使われているそうです。ハリウッ ド映画でストーリーテリングの定番となって使われている、「ヒーローズジャーニー(=英雄の旅)」にも反映されているとのこと。

「ストーリー構成の定番には、まず、『旅立ち』があります。日常の世界で一歩も外に出なければ、なにも冒険は始まりません。しかし、『新しい仕事をしよ う、新しい友達に会って新しいことを考えよう』というように旅立ちがあります。その旅立ちの中には「冒険」というこれから始まる色々なテーマが押し寄せてきます。そして難関にぶつかります。そして旅立ちの次、『試練』というパートに移ります。そこではもっとドラマティックなことが起こります。例えば、一見敵のように見える人が現れる、そして 最大のピンチが訪れるわけです。ところが、後々敵のように見えた人が実はものすごく深い友人になって助けてくれるわけです。」

ストーリーテリングを使って、具体的な仕事の指示せずに部下の気持ちを高めていく、商品を買ってくださいと言わずにお客様が商品を買いたくなる…そんなことが可能になるとのこと。そのためには、相手がイメージしやすいように、相手の世界観の中で分かりやすい情報を伝えていく必要があるそうです。


過去の成功体験を呼び起こす(田中教授)

オバマ・スピーチに学ぶ「戦略的話術」での田中教授

「例えば"Yes, We can !”と聞いたときに何が浮かびますか?今この場だと、オバマ大統領が浮かぶのではないでしょうか?何故英語の教科書が浮かばないのでしょうか?中学の英語の教科書が浮かんできてもおかしくはないはずです。私たちは物事を認識し、理解する為に、過去の体験をさかのぼって情報を認識します。このつながりのことをアンカリングと呼びます。アンカリングでは繰り返し言われたことや強烈な体験が感情と強く結びつきます」

実際にオバマ大統領はアメリカ人と過去の成功体験を結びつけるような表現をしています。苦難を乗り越え、頑張ってきた先人たちから受け継いでいるアイデンティティについて数多く触れるとともに、強調したいメッセージや思いをフレーズに込めて、それを多用しています。

「ストーリングテリングなどを用いて前半はペーシングしていき、後半はアンカリングなどを用いて畳み掛けるようにリーディングしていき、演説が終了します。効果的なコミュニケーションのポイントは、まず現在の状態を把握することです。そして信頼関係を構築する為に相手の感情、調子、トーンにペーシングし、その上でリーディングしていき、望ましい状態に繫げることです」


オバマ大統領 秘蔵VTR鑑賞

最後に今までの講義の内容を踏まえて、2007年12月10日、カリフォルニア、ユニバーサルシティでのオバマ大統領の演説映像を、二階堂教授と田中教授が解説してくださいました。翌日からすぐにでも実践できる内容に参加者の皆様にも満足いただける特別講義となりました。


二階堂 忠春(にかいどう・ただはる)

デジタルハリウッド大学・大学院 客員教授

日本でただ1人最高峰NLPトレーナーの資格である、「米国NLP協会マスタートレーナー・アソシエイト」の資格を保有。米国NLPカリフォルニア研究所「公認NLPコーチ」、EQ公認プロファイラー、日本交流分析学会正会員。

宮城県仙台市生まれ。東北大学法学部卒業。南カリフォルニア大学経営大学院修士課程修了(MBA)。プライスウォーターハウスクーパース コンサルタント株式会社、ベンチャー企業の経営企画室長、株式公開準備室長などのビジネス経験を持つ。NLPを活用した教育コンテンツの開発、企業研修、講演、コンサルティングを行っている。日本能率協会(JMA)にて「チームのモチベーションを高めるリーダー育成セミナー」の講師を担当するほか、研修・講演の実績多数。デジタルハリウッド大学・大学院では、「プロデューサー人材」の能力開発を担当。

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田中 千尋(たなか・ちひろ)

デジタルハリウッド大学・大学院 客員教授 / 株式会社 オフィ ス ブレスユー 代表取締役

米国NLP協会認定トレーナー、NLPメタプログラム(言語学)LABプロファイルプラクティショナー。日本交流分析学会正会員。

三重県津市生まれ。三重エフエム放送、地元テレビ局のフリーキャスターとして各番組に出演。ラジオ番組では、主にパブリシティ番組の制作・出演を15年以上担当し番組をプロデュース。クライアント企業の商品の販売を拡大した実績を多数有する。また、プロ司会者として、各種大会・カンファレンス等の総合司会等を行い、これまでの実績は2000本以上。NLPを活用した独自のトレーニングにより、第一線で活躍する司会・放送タレントのプロを輩出。企業・学校法人での研修・講演実施多数。デジタルハリウッド大学・大学院では、「プロデューサー人材」の能力開発を担当。

取材・原稿:熊谷有加

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