先端色彩研究室主催「人の心を動かす先端色彩」公開講座
~経営戦略から商品企画までビジネス活用できる先端色彩とは~
を開催しました
2009年10月7日と10月18日、先端色彩研究室主催「人の心を動かす先端色彩」公開講座~経営戦略から商品企画までビジネス活用できる先端色彩とは~を日本経済新聞社とNPO日本カラーイメージ協会の後援のもと、全3回にわたり開催いたしました。
本公開講座をご担当されたのは、デジタルハリウッド大学大学院先端色彩研究室室長で、NPO日本カラーイメージ協会理事長でもいらっしゃる南雲治嘉教授、NPO日本カラーイメージ協会監事の鬼頭史江氏、日本カラーイメージ協会理事の青柳淑氏の3名です。
南雲教授は本大学院でビジネスをデザインという切り口で新たに開発していくゼミ、「デザインビジネス開発ゼミ」をご担当されています。「デジタルハリウッド大学大学院は常に最先端にいないといけない」とのこと。デジタル時代の先端色彩について、全3回にわたり解説してくださいました。
第1回:「ここまできた色彩理論」

まず、「色とは何かに立ち戻ろう」と南雲先生。
「色は光であるとニュートンは言いました。これからは色を帯で捉える必要があります。光を分光して得られるのはスペクトルであり、色の原点はそこに あります。そして、『光は電磁波からできている』、ここから色彩はスタートすべきだったのです。色は電磁波であり素粒子です。電磁波の3つの性質が色の力 を生み出します」
「まず、波長が色味の違いを生んでおり、これが色相となります。次に、色エネルギー光量などによる色の鮮やかさが彩度を決定します。そして、明暗は 時間の変化、時の流れによって決定され、これが明度となります。色にこれ以外の力はありません。これらの力を効果的に使うことが、求められているのです」
続いて南雲教授は、20世紀の色彩体系は崩れてきており、色彩生理学の時代へ突入したと指摘されました。
「色彩の生理的反応から心理が生まれます。色は視覚言語です。イメージ言語から選色しましょう。例えば、橙系の色は、視床下部でグレリンという食欲を増進するホルモンの分泌を促すので、食欲の増進を図ることができます。香ばしい、美味しそうというイメージを作る色であると言えます。ですから、自然な食欲色としてパン屋さんで採用された事例があります。このように色は感覚で使うのではなく、目的を実現するために、戦略的に使うことが大切です」
第2回:「最新消費者色彩動向」

本公開講座では、日本経済新聞社が2009年4月~5月に20~60歳までの男女1000名に対して実施した調査データの分析による色彩動向を、南雲教授と鬼頭氏が解説されました。
「色は光であり電磁波です。色の原点はここにあり、電磁波としての脳への働きが基本になっています。色によって人間は様々なホルモンが分泌され、生 理反応を引き起こします。それが心理に重要な影響を及ぼしています。時代は不透明ではありません。消費の動向と色彩のバイオリズムは同期しています」と南 雲教授。
そして、今は赤の時代に突入していると南雲教授は指摘されました。黒は恒常的嗜好色という前提はあるものの、赤と黒は対抗色で6~10年でのサイク ルで強弱が逆転するとのこと。今、CMの30%が赤を意識して制作されているそうです。また、「赤が行くときは白も行く」と南雲教授。

赤の時代に突入しているという南雲教授の指摘を、鬼頭氏が実際の調査データをもとに色彩動向を解説してくださいました。実際に「シャツやブラウスで 今後購入したい色は?」という質問では、20代男性は4位から6位に赤、ピンク、オレンジなどがランクインしていることや、「ほしいパソコンの色は?」と いう質問では、男女ともどの年代でも赤が上位にランクインしている結果となりました。
鬼頭氏は最後に「色は力であり価値です。色の本質を認識し、時代を読んでいくように心がけていただけると幸いです」としめくくられました。
第3回:「ここまできた配色技法」
まず、配色はイメージを決めることからはじまると南雲教授。
「イメージはシンプルで分かりやすいものにしましょう。そしてこれが配色の最初の作業です。イメージが明快でないと配色はできません。ただし、イ メージに関係ない色があります。それが白、黒、グレーです。この3色は時間を表している色ですので、イメージには影響を与えません」
その上で、まず「図と地の関係」をご説明くださいました。
図とはメインの図柄、キャラクター、モチーフの事を指し、最も重要なアイキャッチャーの役割を果たすものです。また、地とは全体を支配する色で、ベースカラーとも言われているものです。背景となる地は、図よりも先に決めなければならないとのこと。
ここで、「既成の配色は何を伝えようとしているのか?」と南雲教授より指摘がありました。「トリコロールとは3色の配色という意味ですね。しかし、だから何をメッセージしているのでしょうか?今は説得力や根拠がない配色は通用しません」

アクセントカラーが最大の武器であることや、セピアを使うと信頼性が増すという根拠を南雲教授は解説してくださいました。そして、参加者の皆さんに「配色の虎の巻」が配られました。全20項目からなる虎の巻のポイントを青柳氏が丁寧に解説してくださいました。
最後に「感動した配色はどんどん盗んでください」と青柳氏。
「配色に著作権はありません。良い配色は記録して応用しましょう。皆さん、夕暮れ時の景色や、緑生い茂る山々の景色を見て、感動したことはありませんか?自然界の配色も是非活用してください」
取材・原稿:熊谷有加















