大学院4期生古新舜監督最新作 映画「koganeyuki」 劇場公開決定!
この度スクールの卒業生でもあるデジタルハリウッド大学大学院4期生の古新舜氏が中心となり、デジタルハリウッド大学の大学院生、大学生、専門スクールの学生、計15名が自主制作として企画・制作を行った映画「koganeyuki」が、1月17日土曜日から1月23日金曜日まで、渋谷のUPLINK Factoryにて上映されます。
劇行公開にあたり、古新舜監督に映画製作にいたった経緯や映画製作の現場についてインタビューしました。
映画の製作を始めた経緯を教えてください。
初めて映画業界に足を踏み入れたのは、早稲田大学院に入学して映画について学んだときです。ですが、もともと映画の業界に入ろうと思っていたわけではなく、カウンセラーを目指していました。しかし、カウンセラーを目指す中で小説を書きたくなり、そこで芸術療法に出会い、演劇の世界に入っていきました。
カウンセリングと演劇や映画は反対にいるようですが、人を癒すという面では繋がっていると感じています。映像のエンターテインメイント性で多くの人に影響を与えていきたいと考えています。
続いて「koganeyuki」のプロジェクトの始まりをお話いただけますか?
「koganeyuki」は、実は私が一番初めに書いた話です。身近な知人の死をきっかけに書き、テーマに「生と死」が掲げられているため、重い話になっています。初めて作る映画には重すぎて、まだ作り上げる技量もないと判断したため、1作目2作目は違うコンセプトを掲げた作品を制作しました。それがショートショートフィルムフェスティバルで2年連続賞をいただいた「サクラ、アンブレラ」「ほわいと。ポーズ」という作品です。
「サクラ、アンブレラ」が春を描き、「ほわいと。ポーズ」では夏が舞台になっているので、秋冬物である「koganeyuki」を作ることによって短編三部作にしよう、と発起したのが企画のスタートです。
今回「koganeyuki」の制作には多くのデジタルハリウッドのスクール生や院生が参加していますね。どのように集められたのでしょうか?
私がデジタルハリウッド大学院に入学したのは2007年4月です。今回プロデュースを担当してくださっている大学院の仲間である相見氏、下西氏は、2007年8月に「サクラ、アンブレラ」のショートショートフィルムフェスティバルの上映会に見に来てくださったのをきっかけに出会いました。
「koganeyuki」を制作しようと考えたときに、ストーリーの落としこみが大切なので、この二人とならストーリー構築から土台が作れるのではないかと、声をかけました。3ヶ月間、彼らと多くの知恵や斬新なアイディアを出し合い、土台作りをし、脚本を作りあげていきました。
そして、脚本が形になったときに、制作メンバー集めに入りました。私は、デジタルハリウッド大学院に入学する前にCGを学ぶためにデジタルハリウッドのスクールにも通っていました。総合Proコース※VFXクリエイター専攻2006年10月生です。「ほわいと。ポーズ」がスクールでの卒業制作で作った作品なんですよ。スクールに通っていた当時、クラスを超えてのパーティーを企画して、交流を深めていたので、その仲間に声をかけ、デジタルハリウッド関係者計15名で「koganeyuki」を作り上げました。
※ VFX・・・Visual Effects(ビジュアル エフェクト)映像における特殊な視覚効果のことを意味します。VFXには、CGと実写の合成や特殊映像表現・効果などがあり、映画のみならずテレビなどでもお馴染みの制作・編集技術です。
制作していく上で大切にしたことはありますか?
1作目「サクラ、アンブレラ」では何も分からない中でメガホンを握りました。演出、役者さんとのやり取りに一生懸命でしたね。2作目「ほわいと。ポーズ」ではより登場人物の心情の変化をしっかりと描こうと脚本を何度も書き直して完成させました。
そして今年上映される3作目「koganeyuki」ではデジタルハリウッドの仲間と作りあげるからこそ、ストーリーをいかにデジタルに還元していくかということにこだわりました。VFXを使用した視覚効果をどうやってストーリーにからめて相乗的に演出できるかを考えました。そして「生と死」というテーマも、暗くしすぎず、マネキンを出すなど日常ではありえない展開で、エンターテインメント性を出しています。
制作が始まってからの裏話などはありますか?
主役の倉科カナさんは、デビュー当事から注目しており、ぜひ出演していただきたいと考えていた方でした。承諾してくださった時は本当に嬉しかったですね。相方の良平役は文学者でありながら若くてかっこいい先生という設定なので、人選に苦労しました。結果的には天野浩成さんという、役にぴったりの方に受けていただけましたが、撮影直前まで決定しておらず、焦る場面もありました。
撮影は、秋を彩る銀杏の景色や、題名のとおり、雪景色も探さなければならなかったため、ロケ場所を探すのが大変でしたが、人が誰も入っていない綺麗な雪景色をみつけることが出来ました。
今回映画を制作するのが初めての仲間も多かったため、スタッフにやる気を出させ、チームをまとめていくことも必要でした。私はずっと映画を作り続けていきたいので、映画監督としてもっともっと修行してよりよい制作環境も作っていきたいですね。
今回の撮影を通して学んだこと、また大学院で学んだことが活かされたと感じたことはありましたか?
大学院時代から感じていましたが、やはり仲間との連携ですね。今回はデジタル処理も駆使しているので、作業は一人で行うこともあります。ですが、心のつながり、コミュニケーションが土台にあってこそ、デジタルが活きると思います。そして、大学院ではプロデュース力を学んだので、人をまとめる点に活かされていたと思います。
また、映画をトータルで作りあげていくとき、法律を知らなくてはいけなかったり、資金集めも必要です。こういったプロデューサーの観点は役立ちましたね。もともと、プロデュースをすることが好きなので、企画の勉強は楽しくもあり、とても身になりました。
将来的にはスクール生のときの仲間や大学院の仲間が、それぞれ個人で活躍してあらゆる分野のプロになったときに、プロ集団として組んで映画を作りたいですね。
次回作の構想はありますか?
「サクラ、アンブレラ」が山形国際ムービーフェスティバル2008で「準グランプリ」と「主演俳優賞」のW受賞をいただきました。その賞にはスカラシップ制があり、2月に企画書を提出して審査に通れば、2009年夏に撮影、冬には完成予定です。今は、初の長編映画に向けて、企画を練っているところです。
最後に、映画を制作したいという方にメッセージをお願いします。
皆さんの「映画を作りたい」という熱い想いには、きっとそこにいきつくまでの経緯があると思うんですね。まずはそのバックグラウンドを大切にしていただきたいです。そして、小さくても大きくても、やり遂げる目標を定めてください。そしてその目標に向かってきちんと行動して欲しいですね。
やみくもに進み、失敗して諦めてしまうのはもったいないと思います。ですから、小さい目標からでいいので、目標達成をして自信をつけて進んでいってください。本人にプロとしてやっていきたいという強い気持ちがあれば、学校も支えてくれると実感しています。そして技術も身につき、人脈も広がるという良い循環が生まれていきます。頑張ってください。
(取材・原稿 小島千絵)
作品紹介
「koganeyuki」
あらすじ:里佳(21)は社会人一年生。服飾の専門学校を卒業して、洋服店に勤めている。一ヶ月前に同棲していた文学者・良平(30)を亡くし、失意のままでいた。そんなある日、働いている店にマネキンが運ばれてくる。マネキンは死んだ良平にそっくりであった。その日から、里佳はマネキンのことが気になりだす・・・。
【監督・脚本・VFX】
古新 舜 (デジタルハリウッド大学院4期生)
【プロデューサー】
相見 高志(デジタルハリウッド大学院3期生)
下西 弘二(デジタルハリウッド大学院3期生)
作品公開情報
期間:09年1月17日(土)~23日(金)
時間:17日(土)、18日(日)[休日三回上映]:15:30~、18:00~、20:30~/
19日(月)~23日(金)[平日二回上映]:18:00~、20:30~
場所:渋谷 UPLINK Factory
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