教員インタビュー

"誰も見たことのない世界"への知的好奇心を満足させる場所

株式会社電通コンサルティングにて企業の経営戦略へのコンサルティングをされておられる森教授。ご自身が執筆を担当し9月に発売した書籍「しくみづくりイノベーション」は、日本企業がコモディティ化の中で事業を成功させる手法が分かりやすく解説されていると好評です。 http://www.diamond.co.jp/book/9784478020982.html

コンテンツ業界における豊富なご経験をもとに、ビジネス戦略の基礎固めを徹底的にご指導いただいている森教授の視点をお伺いしました。

森教授のお仕事の内容と、大学院で教えている内容を教えてください。

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現在は、広告会社の電通のグループ企業の一つ、電通コンサルティングで経営戦略コンサルタントをしています。コンサルティング・ファームでは、役員でも積極的に現場に出て、クライアント企業の課題の解決に関与しますから、非常にエキサイティングです。
また、僕たちがお付き合いするクライアントは幅広く、ITから通信、メディア、ハードウェア、サービス、政府・非営利団体と多種多様で、テーマも成長戦略を中心に、地域振興やM&A、海外進出など何でもやります、といってもいいですね。
デジタルハリウッド大学院では「コンテンツ戦略ラボ」を担当しています。ラボでは、修了予定者には修了課題、それ以外の方には論文またはビジネスプランの研究計画の作成を指導しています。コンテンツ戦略といってもテーマは様々で、必ずしもコンテンツに限りませんが、コンテンツ・ビジネスに関連する多様な課題をしっかりと解決することをモットーにしています。

院生の指導をされる際に、大切にされていることは何でしょうか

やはり、大学院としてのレベルを落とさない教育の品質を保ち、そして高めることでしょうか。コンテンツ・ビジネスやネットなどの世界は、社会一般よりも常にクロック・スピードで変化するものであり、かつ領域複合的な存在です。そのため、一歩間違えると怪しげな言説(ハイプ)が主流を占めてしまいがちです。
また同時に、それらは誰もが接点を生活上もちうると錯覚しがちでもあり、自分の体験がすべてと勘違いしてしまう、あるいは最前線を担う人材ですら経験則でのみ語ることが多い領域です。そこで、しっかりと基礎的な資料にあたり、できればオーソドックスな学術論文による基礎固め=客観的な視点からの把握を学生の皆さんには求めたいと思っています。

指導をされる中で、特に印象的であった院生はいますか?

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社会人の方や、趣味であっても相当に入れ込んでいる方は、日頃から取り扱っている課題をテーマに研究をしようとお考えになる方が多いのですが、大学院では仕事や趣味で接しているものをそのままいつもの形で取り扱うことはできません。むしろ、普段とは違う視点でそれらの課題を取り扱うことで、新鮮な理解やこれまでとは違う解釈ができるようになり、以前であれば考え付かなかったアイデアを発見することができることがあるかと思います。
最初に修士論文を指導した方は、以前から社会奉仕活動の一環でバリ島の地域振興をされていたのですが、ソーシャル・ビジネスというアプローチを知り、その調査を行い、ご自身が携わっている地域での活動と成功事例を比較検討することで、これまでとは全く異なる視点の獲得に成功されました。結果、自らの活動の幅をずいぶんと広げることができました。このように大学院での研究が、単なる絵空事ではなく、ご自身の生活にかかわるところへ貢献できると素敵だと思っています。

これからの社会はどのように変化し、またその時に必要な力は何であるとお考えでしょうか?

今後、日本がこれまで依存してきた様々な産業など社会のしくみが崩壊していくことでしょう。結果、これまでとは全く異なる生き方を迫られる方も多くなるはずです。その変化の礎には、デジタルとネットワークの出現があります。その一方で、それらを起点とした新しいしくみが勃興してくるでしょう。
そのような大きな変化の中、デジタルとネットワークの基礎的なスキルはもとより、より広い視野に立って自律した人間として生きていく知的なサバイバル術に長けた人材が求められると考えます。

入学をご検討中の方にメッセージをお願いいたします。

従来的なアカデミックな勉強であれば、大学院でなくともできる機会が急増してきています。エキサイティングな変化を楽しみつつ、誰も見たことのない世界への知的好奇心を満足させるにはもってこいの場所がデジタルハリウッド大学大学院です。ただ、ここでは受け身のスタイルは不向きです。旺盛な好奇心をお持ちの方は、ぜひチャレンジしてみてください。


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プロフィール

森 祐治 専任教授

株式会社 電通コンサルティング 取締役 ディレクター/慶應義塾大学大学院 メディアデザイン研究科・青山学院大学大学院国際マネジメント研究科講師・中国吉林動画学院客員教授

もり・ゆうじ●元は認知社会心理学・メディアコミュニケーションの研究者。しかし、米国へ奨学生として留学した際、研究対象とした「双方向性を持ったメディア」の在り方に興味を持ったことから、ビジネスの領域へ。その後、MicrosoftやMcKinseyといった外資系企業でキャリアを積む一方、学術的アプローチでアニメや日本のメディアに対する調査を続け、アニメ・コンテンツへの投資やビジネス開発、コンテンツ・ファイナンス、国際ビジネス連携、そしてビジネス・デザインといった昨今の活動へとつながっている。国際基督教大学大学院 博士前期課程修了 修士、Golden Gate University School of Technology Management及びNew York University Graduate School Ph.D. Program留学、早稲田大学大学院 国際情報通信研究科 博士後期課程 単位取得修了。

【著書】デジタルコンテンツ白書(DCAJ)/ケータイは世の中を変える(訳、論考:北大路書房)/こんなに使えるLLP設立マニュアル (明日香書房)/しくみづくりイノベーション(ダイヤモンド社)



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