授業レポート

インタラクティブ・リアルタイム・コンテンツラボ

少人数でテーマを掘り下げ実践力を磨く

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テーマを決め少人数で実践研究を行う研究実践科目(ラボ)。今回レポートする授業は、最新ICT技術をテーマとし、コンテンツや製品の実用化を目指す「インタラクティブ・リアルタイム・コンテンツラボ」です。

指導するのは、(株)ソニーなどを経て独立し、現在は(株)インテグラルビジョンの代表取締役である香田夏雄准教授。授業は、ワークショップでアイデアの生み出し方を学び、そのアイデアをビジネス展開する方法をブレストで検証していきます。さらに実用化のプロセスを定式化し技術開発を実践、という3段階のプロセスで実践力を磨いていきます。

大手企業の研究開発部門と人脈を築く機会が豊富な環境

本大学院の研究機関で、多くのプロジェクトに参加している香田准教授。こは、授業の冒頭でその研究成果を紹介しました。「体を動かすことで直感的に操作できる装置を応用し、ダンスとアートを融合した研究プロジェクトを進めています。」他では得られない最新知識を、院生の研究・実践に活かしてほしいという意向からです。

このほか*AR技術など、香田准教授が語る最先端技術の解説に真剣に聞き入る院生たち。香田准教授の共同研究先は大手電機メーカーや国立の公的研究機関など多彩な顔ぶれです。「授業外の研究プロジェクトですが、企業と関わるいい機会。興味のある方はぜひ参加してください。」知識だけでなく、企業などの研究開発に携わり、院生に新たな人脈を築いてほしいという香田准教授の思いがあるのです。

*AR:カメラなどを通して、CGやアニメーション、動画などの情報があたかもその場に存在するかのように表示させる技術。

仮説と検証を繰り返し新しいビジネスの可能性を探る

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研究成果の紹介が終わると、今日のテーマ「新しいAR技術」の議論がスタート。実用化の検証を院生同士でブレストします。

まず香田准教授が議題を投げかけました。「通常はマーカーと呼ばれる目印を使い、表示する情報を読み取るけど、マーカーを使わずにARを実現する方法はあるかな」

すぐに院生たちの発言が続きます。
「基準点を作り、3D空間の構造を認識させる」「センサーと位置情報を使う方法は?」「LEDライトを配置して、位置認識させれば実現できそうだ」

次々と出てくるアイデアに香田准教授が的確な指摘で議論をリード、まとめ上げていきます。こうした仮説と検証の繰り返しを実践することが、この実践研究科目の目的です。実現性の高いアイデアは、大手企業の研究開発部門と共に、実用化に向けた共同試作を行うこともあります。実際のビジネスでは実験できないことも、大学院という実験環境であれば可能。新しいビジネスの可能性を見つけるヒントがあふれる授業なのです。

教員からのメッセージ

企業にアイデアを提供するシンクタンク的な役割も担っています

この授業の特徴は、事例研究にとどまらず実際のビジネスを見据えた"ものづくり"まで行うこと。今回のようにブレスト形式でアイデアを追究する授業のほか、著名な研究者・開発者を講師に迎えたワークショップも行い、彼らが最新技術をどう生み出しているのか、アイデアの源泉を学ぶ機会も設けています。このようにビジネス、デザイン、ITを融合させて効果的に学べる大学院として、本大学院は唯一の存在と言えるでしょう。高度な技術力をもつ企業は、生み出した技術を製品開発につなげる手法を強く求めています。企業側も本大学院を評価し、その発想を具現化できるシンクタンクとしての役割を期待してくれています。

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プロフィール

香田 夏雄 専任准教授

株式会社インテグラルヴィジョン 代表取締役

こうだ・なつお●株式会社ソニー木原研究所にて、3次元コンピュータグラフィクス技術の研究開発を手掛ける。ゲーム関連、カーナビ関連の製品開発にも参加。2007年7月、さまざまな3DCG応用技術を研究開発する、株式会社ヒュージスケールリアリティを設立。現在は株式会社インテグラルヴィジョン代表取締役。書籍の執筆や講演、講師など、次世代を担う技術者の育成にも力を入れている。

 


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